研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今から約7万4千年前に起きたとされるインドネシア・スマトラ島のトバ火山噴火という環境激変イベントを復元するため,東ティモールの鍾乳石の解析を進めた。国立台湾大学において試料の形成年代をウランートリウム非平衡法により正確に求めた後,噴火を示す部位について東京大学のNanoSIMSを用い, Mg, Sr, Ba, Al, Si, K, Fe, Mnを分析した。その結果,鍾乳洞内の滴下水の酸化還元状態が変化したことを示唆する結果が得られた。破局的噴火が地球環境を激変させる証拠として鍾乳石の研究例を増やすことで、将来の火山防災に役立つ可能性がある。
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