研究課題/領域番号 |
19KK0099
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
呉 景龍 岡山大学, ヘルスシステム統合科学学域, 教授 (30294648)
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研究分担者 |
田中 高志 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (10745368)
高橋 智 岡山大学, ヘルスシステム統合科学学域, 准教授 (20236277)
金澤 右 川崎医科大学, 医学部, 教授 (20243511)
呉 瓊 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 客員研究員 (40762935)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2025-03-31
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キーワード | 触覚認知脳機能 / somatosensory cortex / dot-surface matching / tactile stimulus / temporal structure / 認知症 / 認知心理学 / 脳波 / fMRI |
研究実績の概要 |
医療福祉機器の製作や高質感製品の創出では、手触りだけで形状・質感を知覚できるロボットハンド技術が21世紀の高齢化社会と製品の高品質化に強く求められている。しかし、手による医療福祉行為や触覚品質の評価は医者・職人の経験や主観的手触り感覚の判断に頼っているのが現状で、形状・質感を知覚できるロボットハンド技術はまだ確立されていない。 本国際共同研究では,代表者及び分担者たちが従来までに米国衛生研究所(NIH)と中国北京理工大学(BIT)との共同研究で得た触覚脳機能と知能ロボットの成果を発展させて、触覚感知脳内モデルを構築して形状・質感を知覚できる知能ロボットハンドへの適用について探索する。 本年度では、これまで得た触覚認知脳機能に関する知見と応用成果を発展させて、北京理工大学と共同で空気圧制御と圧電素子を用いて高磁場のfMRI環境で使用できる触覚脳機能マッピング実験装置を研究開発した。この特製の実験装置を用いて時空間ダブル循環方式で刺激して触覚認知のfMRI実験を実施し、fMRI実験データ解析は米国NIHと共同でを行い触覚感知脳内モデルを検討している。さらに、本国際共同研究は基礎的かつ総合的研究であり、若手研究者も参画して触覚感知脳内モデルの構築と知能ロボットハンドへの適用に関する国際共同研究ネットワークの形成にも取り組んでいる。 これらの研究成果は英文雑誌論文4件(SAGE Open 1件、Perception 1件、Neuroscience Letters 1件、Frontiers in Psychology 1件)と国内外の学会発表7件を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国際連携については、米国衛生研究所(NIH)と共同はオンラインで、中国北京理工大学(BIT)、中国科学院深セン先進技術研究院、京都大学などの研究機関との共同研究はオンラインと対面で推進している。若手研究者も参画して触覚感知脳内モデルの構築と知能ロボットハンドへの適用を目指して、国際的な研究ネットワークと新学際領域の形成に努力している。 研究内容については,北京理工大学と共同で空気圧制御と圧電素子を用いて高磁場のfMRI環境で使用できる触覚脳機能マッピング実験装置を研究開発した。この特製の実験装置を用いて時空間ダブル循環方式で刺激して触覚認知のfMRI実験を実施し、fMRI実験データ解析は米国NIHと共同でを行い触覚感知脳内モデルを検討している。 具体的な研究成果としては英文雑誌論文4件と国内外の学会発表7件を公表した。 以上の理由で、本課題はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、コロナの影響を克服して、オンラインと対面式で米国衛生研究所(NIH)、中国北京理工大学(BIT)、中国科学院深セン先進技術研究院、京都大学などの研究機関との共同研究をさらに推進して、共同研究強化と若手を育成し、国際的な研究ネットワークと新学際領域の形成に努める。 研究課題としては、まず、fMRIを用いた触覚脳機能マッピング実験とデータ解析について国際共同研究を行い、脳解剖学観点のモデル構築について共同で推進する。次に、脳内モデルの構築と知能ロボットハンドへの適用は北京理工大学BITの人材資源とロボット試作・評価実験環境を活用して、知能ロボットハンド試作・評価実験及びブレインマシンインターフェスについて調査研究を行う。 具体的な研究内容としては、まず、代表者及び分担者らは取得したfMRI脳画像と脳解剖学の知見を統合するアプローチを用いて、手の部位から脳内活動部位への変換過程を解析する。さらに、脳内モデルの構築、ブレインマシンインターフェス及び知能ロボットハンドへの適用について調査研究する。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費と人件費・謝金が必要のために、この差引額は次年度を使用しています。
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