研究課題
医療福祉機器の製作や高質感製品の創造において、手触りだけで形や質感を感知できるロボットハンド技術は、21世紀の高齢化社会や製品の高品質化を強く求めている。しかし、手の医療福祉行為や触覚品質の評価は医師、職人の経験や主観的な手触り感覚の判断に依存しており、形状、質感を感知できるロボット技術は確立されていない。本国際共同研究では、代表及び分担者らは、これまで米国衛生研究所(NIH)と中国北京理工大学(BIT)の共同研究で得られた触覚脳機能とアンドロイドの成果をさらに発展させ、触覚知覚脳内モデルを構築し、形状、質感を知覚できるスマートロボットハンドへの適用を模索している。本年度の研究内容は、脳解剖学の研究成果を参照して機能的磁気共鳴画像(fMRI)実験とそのデータ解析を用いて触覚感知脳内モデルを構築することである。今年度の研究は主に北京理工大学と共同で実施してきた。まず、独自製作の高空間分解能と高精度の触覚実験装置を用いて、掌の平面の各部位を、触覚fMRI実験専用デバイスを用いた時空間ダブル循環方式で刺激して、脳内の触覚皮質平面における脳活動信号(fMRI脳画像)を計測する。次に、取得したfMRI脳画像と脳解剖学の知見を統合するアプローチを用いて、手の部位から脳内活動部位への変換過程を解析する。最後に、二重非線形補正等の脳画像補正などの解析方法を用いて触覚感知の脳内モデルを確定する。研究成果は英語誌論文5件を国際誌に掲載され、国内外学会6件を発表した。
2: おおむね順調に進展している
本年度は、脳解剖学の研究成果を参照して機能的磁気共鳴画像(fMRI)実験とそのデータ解析を用いて触覚感知脳内モデルを構築することが予定されている。今年度の研究は北京理工大学と共同で実施された。まず、独自製作の高空間分解能と高精度の触覚実験装置を用いて、掌の平面の各部位を、触覚fMRI実験専用デバイスを用いた時空間ダブル循環方式で刺激して、脳内の触覚皮質平面における脳活動信号(fMRI脳画像)を計測することができた。次に、取得したfMRI脳画像と脳解剖学の知見を統合するアプローチを用いて、手の部位から脳内活動部位への変換過程の解析に成功した。最後に、二重非線形補正等の脳画像補正などの解析方法を用いて触覚感知の脳内モデルを提案できた。以上の研究によって得られた成果は英語誌論文5件を国際誌に掲載され、国内外学会6件を発表した。以上の理由で、本課題はおおむね順調に進展している。
本研究の最終目的は、申請者がこれまでに得た触覚認知脳機能に関する知識と応用成果を発展させ、触感感覚脳内モデルを提案し、形状、質感を感知できるロボットハンドに応用することである。今後は、今年度の研究成果を生かしてコロナの影響を取り戻して、米国衛生研究所(NIH)、中国北京理工大学(BIT)、中国科学院深セン先進技術研究院、京都大学などの研究機関との共同研究をさらに推進して、共同研究の強化と若手研究者の育成を行い、国際的な研究ネットワークと新学際領域の形成に努める。研究課題としては、まず、fMRIを用いた触覚脳機能マッピング実験とデータ解析について国際共同研究を行い、脳解剖学観点のモデル構築について共同で推進する。次に、申請者らが提案している指間の距離と曲率情報が形状知覚の形成過程と、指間の能動と受動の二重触覚の行動情報が質感知覚の形成過程を、形状知覚の算出関数と質感知覚の算出関数を求める。最後に、脳内モデルの構築と知能ロボットハンドへの適用は北京理工大学BITの人材資源とロボット試作・評価実験環境を活用して、知能ロボットハンド試作・評価実験及びブレインマシンインターフェスについて調査研究を行う。具体的な研究内容としては、まず、代表者及び分担者らは取得したfMRI脳画像と脳解剖学の知見を統合するアプローチを用いて、手の部位から脳内活動部位への変換過程を解析する。さらに、脳内モデルの構築、ブレインマシンインターフェス及び知能ロボットハンドへの適用について調査研究する。
新型コロナの影響で移動が不便で、多くの計画では他校との協力実験やデータ収集などがある程度制限されている。この使用額は、今年中に協力課題の推進を加速させるために使用される。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 6件)
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