研究課題/領域番号 |
19KK0102
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 源之 東北大学, 東北アジア研究センター, 名誉教授 (40178778)
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研究分担者 |
石川 潤 東京電機大学, 未来科学部, 教授 (10453797)
菊田 和孝 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教 (70801249) [辞退]
齋藤 龍真 東北大学, 東北アジア研究センター, 助手 (10967706) [辞退]
泉 佑太 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 助教 (50915197)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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キーワード | 人道的地雷除去 / コロンビア / 地中レーダ / GPR / ODA |
研究実績の概要 |
ALISは電磁誘導センサ(EMI sensor,金属探知機)と地中レーダ(GPR)を組み合わせ、手動でセンサを走査し、位置情報と合わせて取得した2つのデータから地下の可視化を行うセンサである。GPRデータに対しては合成開口レーダ処理(SAR processing)を施すことで、3次元画像の再構成を行うとともに、クラッタ除去を行う。実際の地雷原は不均質性の高い土壌であるため、電波伝搬速度が一定ではないため再構成された画像データは埋設物の形状から歪むことは避けられない。この問題を解決する方法の一つが、特定の物体から散乱された電波が含む固有の共振周波数である。この手法はSEM(Singularity Expansion Method)などとして1970年代から知られているが、地雷検知に実際に利用された事例は非常に少なく、こうした手法を開発している国立大学(コロンビア)にALISで取得したデータを供与し、実データでの評価を進めた。
一方、コロンビア国内でのALISの実利用を進めるため、コロンビアのNGO組織CCCMと協力し、CCCMが実際に地雷除去を行う現場付近の土壌に、爆発物を模擬した物体を埋設し、ALISデータを取得した。このデータを解析し、ALISの土壌に対する適応性を調べた。
こうした一連のコロンビア現地における研究開発を、人道的地雷除去活動を行うコロンビア陸軍の工兵部隊に説明を何回か行ってきた。その結果、コロンビア陸軍からコロンビアにおける人道的地雷除去活動にALISを使用したいという要望があげられ、日本大使館などとも協議した結果、日本政府からの無償支援としてALISをコロンビア陸軍に供与することが決まった。これは科研費による研究活動がODAに結びついた極めて稀な事例と考えている。
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