研究課題/領域番号 |
19KK0106
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
甲山 治 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 准教授 (70402089)
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研究分担者 |
小川 まり子 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 助教 (00785719)
亀田 尭宙 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 特任助教 (10751993)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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キーワード | 熱帯泥炭地 / インドネシア / 火災 / 水文・気象情報 |
研究実績の概要 |
2021年度の研究実績としては,COVID-19の影響でインドネシアへの渡航が制限されたことから,2020年3月に運用開始したXバンド気象レーダーから推定した雨量情報を産業造林企業に提供し,企業が村の水管理へ協力するという遠隔での協力関係を構築した.インドネシア気象庁が有するCバンド気象レーダーから得られた情報を元に,大気汚染の範囲を短時間で推定する手法を構築し,その一部がScientific Reportsに掲載された.これらのレーダー情報を用いた泥炭地の水文・気象・大気汚染情報の把握は,データの空白地帯である熱帯泥炭地管理において大きな意味を持つ.さらにはCOVID-19について,衛星データ解析による人為起源大気汚染減少と,感染状況解析による日尼社会比較を研究した.一方で現地観測や観測装置のメンテナンスができないことが大きな課題となっており,Zoomを用いて現地への技術移転も限界があったことから,2022年度には現地観測を再開したい.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度も昨年度に続きCOVID-19の影響でインドネシアへの渡航が制限されたことから,海外出張旅費と国際会議費を,人件費と変更した.リアウ州ブンカリス県でのレーダー観測機器管理業務を技術評価応用庁に,住民社会・企業・統治班では現地調査業務を現地NGOに委託して行っている.一方で遠隔会議システムを用いることで,現地カウンターパートとの会議の頻度は飛躍的に高まった.レーダー観測に関しては2020年3月4日に現地でシンポジウムを開催した後も,現在までオンライン会議をほぼ毎月開催して研究を遂行した.タンジュンルバン村における泥炭回復の実践研究では計6回,ランタウバル村の研究でも毎月打ち合わせを行った.
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今後の研究の推進方策 |
本年度も,COVID-19によりインドネシアへの渡航が制限されたことから,現地のカウンターパートとは遠隔会議システムでの議論を継続した.一方,現地ステークホルダーとのコミュニケーションが十分には取れない中で,オンライン会議や,オンラインアンケート調査を行っているが,COVID-19によるインドネシア社会の混乱もありプロジェクト全体の目標としていた社会実装の部分は今後の課題である.2022年5月に現地調査を予定しており,これらの課題を改善する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はCOVID-19の影響でインドネシアへの渡航が制限されたことから,カウンターパート研究機関の技術評価応用庁に現地業務を委託した.インドネシア社会の混乱もありプロジェクトの目標としていた社会実装の部分を,次年度に繰り越すこととした.次年度は旅費及び人件費に使用する予定である.
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