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2023 年度 実施状況報告書

インドネシア熱帯泥炭地における災害および水文・気象情報管理システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 19KK0106
研究機関京都大学

研究代表者

甲山 治  京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (70402089)

研究分担者 小川 まり子  京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 助教 (00785719)
亀田 尭宙  国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 特任助教 (10751993)
研究期間 (年度) 2019-10-07 – 2025-03-31
キーワード熱帯泥炭地 / インドネシア / 火災 / 水文・気象情報 / 気象レーダー / スマートフォンアプリケーション
研究実績の概要

2023年度は住民にとって煩雑な作業を極力除くため、文字を使わずに、画像を用いた双方向の水文気象防災情報システムを開発した。天気や火災、煙霧などのカテゴリを選択し、住民が撮影した画像をアップロードできる仕組みである。これらの情報は他のユーザーも閲覧できる。2023年11月より、現地カウンターパート、大気汚染計測機器のある民家にも使ってもらっている。⾔語はインドネシア語と英語である。2023年末頃から大雨により、雨に関する画像が多くアップロードされているが、画像が表す災害状況と実際のデータ(気象レーダーの降雨データ)との整合性も確認済みである。今後、住民や地元政府などからフィードバックを得ることで、アプリの修正を重ねていく予定である。
3月に入り、リアウ州のブンカリス県およびドゥマイ市では火災が始まっているとの記事も見受けられるが(3月13日付け GoRiau.com)、火災に関する具体的な情報はまだわかっていない。最近1ヶ月間の SNS(TikTok、X など)のメンション数においても火災の記事が徐々に増えてきている。”Kebakaran(火災)”、”Riau(リアウ)”、”Lahan(土地)”に関するメンション数が 3月3日ごろから 1000 件を超え、増加しつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2024年1月にはブンカリス県防災局を訪問し、ブンカリス工業高専、国家革新庁とともに、アプリを用いた水文気象情報の活動についてブレーンストーミングを行った。火災も含めて、天気予報、洪水の場所、海水遡上のことなど、村単位で知りたいとのことであった。実務上、より細かな範囲で監視をしたいというのが伝わってきた。また、昨年末頃からの洪水被害に関しては、アプリの情報も活用しながら冠水の場所を特定するなどの実績も挙がっている。

今後の研究の推進方策

今後、カウンターパートのブンカリス県防災局はアプリについての小規模のトレーニングを希望している。セミナーやトレーニング、聞き取りなどを行う中で、住民および防災局などが必要としていることを把握し、我々のモニタリングしている大気および水文・気象情報をどこまで活用できるか、引き続きディスカッションしていく。

次年度使用額が生じた理由

コロナウイルスの蔓延で計画が遅れていたが,収束後の2023年度よりインドネシアでの研究許可及び滞在ビザを取得し,スマートフォンアプリの開発と応用を行っている.ようやく現地での認知度が挙がってきたこともあり,2024年度にも研究費を繰越して研究を継続する.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [国際共同研究] 国立研究革新庁/リアウ大学/ブンカリス高専(インドネシア)

    • 国名
      インドネシア
    • 外国機関名
      国立研究革新庁/リアウ大学/ブンカリス高専
  • [雑誌論文] Measurements of?Atmospheric Carbon Dioxide Emissions from Fire-Prone Peatlands in Central Kalimantan, Indonesia, Using?Ground-Based Instruments2023

    • 著者名/発表者名
      Ohashi Masafumi、Iriana Windy、Kozan Osamu、Kawasaki Masahiro、Tonokura Kenichi
    • 雑誌名

      Vegetation Fires and Pollution in Asia

      巻: 1 ページ: 385~399

    • DOI

      10.1007/978-3-031-29916-2_22

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Study on Diurnal Variation of Rainfall Observed by X-band Polarimetric Radar in Peatlands Over Bengkalis Island, Eastern Sumatra, Indonesia2023

    • 著者名/発表者名
      Ogawa Mariko、Yamanaka Manabu D.、Awaluddin、Darmawan Arief、Sulaiman Albertus、Sulistyowati Reni、Putra I. Dewa Gede Arya、Kozan Osamu
    • 雑誌名

      Proc. Int. Conf. on Radioscience, Equatorial Atmospheric Science and Environment and Humanosphere Science, 2022

      巻: 1 ページ: 33~44

    • DOI

      10.1007/978-981-19-9768-6_3

    • 国際共著
  • [学会発表] Rehabilitating Tropical Peat Communities through Communal Water Management2023

    • 著者名/発表者名
      Osamu Kozan
    • 学会等名
      THE INTERNATIONAL CONFERENCE ON AGRICULTURAL, FOOD, AND ENVIRONTMENTAL SCIENCES (ICAFES) 2023
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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