研究課題/領域番号 |
19KK0107
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
渡辺 幸三 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (80634435)
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研究分担者 |
糠澤 桂 宮崎大学, 工学部, 助教 (20725642)
八重樫 咲子 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (30756648)
ガンボア・メンデス マリベット・アリアナ 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 助教 (30849477)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2022-03-31
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キーワード | デング熱 / ボルバキア / 蚊媒介感染症 / 金ナノ粒子 / 集団遺伝解析 |
研究実績の概要 |
初年度となる今年度は以下の研究項目1と2を実施した。 【研究項目1 金ナノ粒子によるボルバキア感染検査法の開発】:米国・ミシガン州立大のナノバイオセンサー研究室とテレビ会議を通じて開発に着手した。同研究室から特許のかかった金ナノ粒子を分与していただき,蚊の全身から抽出したDNAからボルバキアに由来するDNAを検出するための最適な実験プロトコルを見つけるための実験を行った。事前実験の結果,蚊DNAに占めるボルバキアDNAの割合が非常に低いので,ボルバキアに特異的な配列を有する磁石プローブを使ったボルバキアDNAを濃縮する手法の開発を行った。 【研究項目2 蚊飛翔パターンの集団遺伝解析】:マニラで採取した約900個体のネッタイシマカ成虫から抽出したDNAを使ってマイクロサテライトマーカーを使ったDNA多型実験を行った。その結果,マニラには大きく分けて4つの遺伝的グループが共存していること,また,幹線道路が道路跨ぐ方向の蚊の移動を制限していることなどが分かってきた。これらのデータに基づいて,次世代シークエンサーを使ったddRAD解析に用いる特に遺伝的変異が大きいことが期待される約300個体を選定すると共に,ddRAD解析の実験プロトコルの最適化(制限酵素の選定)を行うこともできた。 【交流実績】日本からフィリピン(マニラ)に延べ5人が渡航し,現地調査と共に,共同研究のための打ち合わせを行った。また,フィリピンから日本(愛媛大学)にも9名の研究者が訪問し,今後の研究計画に関して議論した。また,日本からドイツ(ライプニッツ淡水生態学・内水漁業研究所)を訪問して,次世代シークエンシングデータのバイオインフォマテックス解析に関する意見交換などを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り,研究項目1と2を遂行することができた。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症への対応のため,海外への渡航が制限されているので,オンラインミーティングを行うことで共同研究を粛々と遂行すると共に,渡航制限が解除された後に速やかに交流を再開すべく準備を進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2月以降の新型コロナウイルスの影響を受けて,国内および国外出張を次年度に延期したため。また,次世代シーケンシング解析などに必要な遺伝子実験用の消耗品の購入を実験の進捗度と試薬の使用期限を考慮して,次年度に購入することにしたため。使用年度は延期となったが,使用計画に大きな変更はない。
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