研究課題
【研究項目1 金ナノ粒子によるボルバキア感染検査法の開発】:ボルバキアに特異的な配列を有する磁石プローブを使ったボルバキアDNAを濃縮する手法の開発を行った。【研究項目2 蚊飛翔パターンの集団遺伝解析】:メトロマニラ広域から集めた217個体のネッタイシマカ成虫から抽出したDNAを使って、ゲノムワイドに一塩基多型(SNP)遺伝子座の遺伝子頻度を推定するddRAD解析を行った。その結果、12,771 SNP遺伝子座を見つけることができた。これらSNP遺伝子座を使った集団遺伝解析の結果、雄集団と雌集団の集団遺伝構造を比較すると、雄集団の方が地域集団間の遺伝的分化が大きく、メトロマニアの地域間交流が制限されている傾向が明らかにされた。【研究項目3 ボルバキア感染蚊の繁殖と感染の検証】:メトロマニラで採取した378匹のシマカ属成虫と509匹の幼虫からボルバキアをPCRにより検出した。幼虫からは検出されなかったが,15匹の成虫からボルバキアを検出することができた。また,リアルタイムPCRにより蚊体内のボルバキアDNA濃度を定量下た結果、雌個体よりも雄個体の方が優位に高い濃度のボルバキアを有していることが明らかになった。また、ボルバキアの系統解析の結果、3つの系統グループがメトロマニラには存在していた。これら系統グループ間においても、蚊体内のボルバキア濃度に有意な違いがあることが明らかにされた。【交流実績】新型コロナウイルス感染症流行の影響により,海外共同研究者を訪問することができなかった。しかし,オンライン会議により,主にフィリピンやドイツの共同研究者らと打ち合わせを継続的に行った。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 9件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 11件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
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