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2023 年度 実績報告書

表層凍結斜面崩壊メカニズムの地盤工学的解析に基づく東欧校倉木造教会堂保存の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19KK0111
研究機関筑波大学

研究代表者

上北 恭史  筑波大学, 芸術系, 教授 (00232736)

研究分担者 藤田 香織  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20322349)
マルティネス アレハンドロ  京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 助教 (50807815)
石川 達也  北海道大学, 工学研究院, 教授 (60359479)
研究期間 (年度) 2019-10-07 – 2024-03-31
キーワード木造教会堂 / 校倉造 / ウクライナ / ポーランド / 保存 / 斜面崩壊 / モニタリング / 地盤工学
研究実績の概要

2022年2月にロシアによるウクライナ侵攻のために、当初計画で予定していたウクライナのポテリッチにある聖神降臨聖堂(Potelych-Tserkva of the Descentof the Holy Spirit)からモニタリングの対象地を変更し、ポーランド南東部にあるサノク郡(Sanok Country)に残る聖母マリア生誕教会(Church of the Nativity of the Blessed Virgin Mary in Rakowa )で行うこととした。
本教会堂は東方正教会の教会堂として1779年頃に建設され、1900年頃に西側正面部分に鐘楼を増築している。建物は西方を正面にして小高い丘の上に建つ。教会堂の周囲は林で東面、南面は牧草地の緩やかな斜面に連なっている。北面と西面は高さ10メートルほどの崖となり、西面にはTyawkaと称される川が南北に流れ、その流れによって作られた急な斜面となっている。目視では教会堂本体に大きな劣化は見られないが、鐘楼は西側斜面に多少傾き、南東側土台に亀裂が見られることから、西側斜面の地盤沈下による変形を受けていると推測される。
本研究チームは変形の原因として教会堂敷地地盤の西方の崖方面への地滑りを疑い、そのために土壌調査を行うこととした。2023年7月に同教会敷地においてボーリング切削を行い、土壌コアを採取した。また土中に傾斜計、水分計、温度計を設置し、地上に雨量計を設置して、降雨や季節的変動などの要因と地滑りの関係を捉えるモニタリング観測を開始した。これらの観測データはモバイル通信によりサーバーに送られるシステムとし、日本のサーバーで観測データを受信している。
教会堂敷地は粘土質の土壌であるが、明快なスリップ面は確認できず、緩慢な地滑りを起こしている可能性はある。数十年をかけて建物に変形を加えていると考えられる。

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公開日: 2024-12-25  

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