| 研究課題/領域番号 |
19KK0120
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| 研究機関 | 大阪大学 |
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研究代表者 |
眞田 靖士 大阪大学, 工学研究科, 教授 (80334358)
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| 研究分担者 |
高橋 之 大同大学, 工学部, 准教授 (20620842)
権 淳日 大阪工業大学, 工学部, 講師 (70847847)
尹 ロク現 大阪大学, 工学研究科, 助教 (50844205)
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| 研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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| キーワード | 地震防災 / 発展途上国 / 鉄筋コンクリート / 建築物 / 耐震補強 |
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| 研究実績の概要 |
アジア圏発展途上国を襲った近年の地震災害や，研究代表者による現地調査より，日本には存在しない構造的一体性を欠く極めて脆弱なRC建物があり，現在も新築されていることが明らかになっている．本研究では構造的一体性という修正しにくい欠陥をもつ建物を発展途上国でも利用できる技術で再生するために，【研究目的①】これまで確立されていない構造的一体性に対する補強をレンガ造の袖壁を用いて克服する方法を世界に先駆け提案し，日本の基準では補強対象とならないほど脆弱な建物に対する補強効果を実験的に検証する．また，【研究目的②】上記の問題に直面するバングラデシュとインドネシアをアジア圏を代表する研究フィールドと設定し，提案する補強方法を社会浸透させる方策を，建築・都市計画学的な研究アプローチにより分析し提案する．
本研究は日本とインドネシア，バングラデシュ，中国の多国間共同研究である．2021年度は，【研究目的①】の達成に向けて，アジア圏発展途上国でいずれも利用可能なレンガ造袖壁とRC枠材による補強方法を提案して，日本の基準では補強対象とならないほど脆弱な建物に対する補強効果を実験的に明らかにするため，中国の東北電力大学において本補強方法の有効性を検証する実験計画について立案した．また，COVID-19による上記実験の遅延を考慮して，既存建物の構造的一体性を欠く柱梁接合部の性能評価を目的とする構造実験について，大阪大学において実施できる計画を立案した．
また，【研究目的②】の達成に向けて，提案する補強方法を社会浸透させる方策について，バングラデシュを対象に同国アジア太平洋大学のNandita Saha講師と連携して，経済指標に基づいて意思決定できるトップダウン型の方法論を検討した．地震被害想定における耐震補強の費用対効果を最大化させる耐震補強戦略を提案し，その有効性を解析的に検証した．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の影響により中国の東北電力大学において当初計画した実験の実施が遅延しているが，実験計画までは終了した．実験は2022年度に実施できる見込みである．
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| 今後の研究の推進方策 |
COVID-19の終息を期待するが，引き続き海外渡航が困難な状況が想定されるため，中国の東北電力大学で計画する実験を海外共同研究者であるYuebing Li講師に全面的に依頼し，日本側研究者はオンラインで実験に参画する方法を計画している．
また，インドネシアを対象に同国アンダラス大学のJafril Tanjung教授と連携して，地域社会におけるワークショップに基づくボトムアップ型の方法論の検討を当初計画したが，COVID-19の影響により実施できない可能性が高いため，オンライン会議の環境が整う現地研究者などを対象に，当初計画とは異なる意見交換の場を設ける方法を計画している．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響により予定していた実験や外国出張を延期せざるを得ず，主に物品費と旅費で未使用額が生じた．
いずれも2022年度に再調整し計画通り実施することを優先するため，未使用額はその経費に充てる予定であるが，社会情勢上外国出張困難な状態が続く場合は，オンラインでできる限りの代替手段を講じるため，オンライン環境整備などのための経費に充てることも計画している．
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