| 研究課題/領域番号 |
19KK0121
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| 研究機関 | 九州大学 |
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研究代表者 |
陳 光斉 九州大学, 基幹教育院, 教授 (50293882)
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| 研究分担者 |
東畑 郁生 関東学院大学, 理工学部, 客員教授 (20155500)
王 功輝 京都大学, 防災研究所, 教授 (50372553)
Lu Min 九州大学, 基幹教育院, 助教 (60750007)
谷口 説男 九州大学, 基幹教育院, 教授 (70155208)
若井 明彦 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (90292622)
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| 研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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| キーワード | 地震 / 斜面崩壊 / PGA / PLGM / DDA / NMM / 安定解析 / シミュレーション |
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| 研究実績の概要 |
１．地震による斜面崩壊メカニズムの解明研究 地震の影響外力指標として、従来の地表面最大加速度PGAに、地震のエネルギーを表すパルス地震動PLGMの追加を提案する。既存の斜面安定解析手法は、PGAとPLGMの両方とも大きいか、両方とも小さいの地震動の場合は、正しい解析結果が得られるが、PGAが大きいがPLGMが小さい、または、PGAが小さいけれとPLGMが大きい地震動の場合は、正しい解析結果が得られられない課題が残されている。そこで、PLGMに着目した新しい斜面崩壊における判定基準を提案し、不連続変形法DDAに取り入れた実用的な斜面安定解析手法を開発した。また、新しい解析手法を用いて、今までに解明されていない二つの斜面崩壊現象を解明した。１）2016年熊本地震のように、PGAが非常に小さい阿蘇地方で、大規模な斜面崩壊が発生した現象；２）2018年北海道胆振東部地震のように、同一山は片側の斜面が崩壊、反対側の斜面が破壊しなかった現象である。研究成果は国際ジャーナル「LANDSLIDES」と「ROCK MECHANICS AND ROCK ENGINEERING」に掲載された。
２．次世代統合型土砂災害予測システムの構築と実用化における研究 崩壊土砂の運動シミュレーション手法および土石流シミュレーション手法の高度化と実用化における研究において多くの研究成果が得られた。土石流の到達範囲の予測における研究成果は「WATER RESEARCH」で、不連続変形法DDAとマニフォールド法MMにおける改良・拡張における研究成果は「COMPUTERS AND GEOTECHNICS」、「ENGINEERING FRACTURE MECHANICS」、「Canadian Geotechnical Journal 」、「INTERNATIONAL JOURNAL OF GEOMECHANICS」で７編の論文が発表された。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
パルス性地震動による斜面崩壊メカニズムにおける解明研究、崩壊土砂の運動シミュレーション手法と土石流シミュレーション手法の高度化と実用化における研究、次世代統合型土砂災害予測システムの構築と実用化における研究においては、積極的に展開し、多くの研究成果が得られており、インパクトファクターの高い国際ジャーナルで９編の学術論文が発表された。具体的には、土石流シミュレーション手法における研究成果は「WATER RESEARCH」（IF＝9.13）で, 地震による斜面崩壊に関する新しい判断基準を提案し、不連続変形法DDAに取り組んだ成果は「ROCK MECHANICS AND ROCK ENGINEERING」（IF=4.88）で、PLGMに着目した地震による斜面崩壊メカニズムの解明に関する研究成果は「LANDSLIDES」（IF＝4.708）で、不連続変形法DDAとマニフォールド法MMにおける改良・拡張における研究成果は「COMPUTERS AND GEOTECHNICS」（IF=3.818）、「ENGINEERING FRACTURE MECHANICS」（IF＝3.426）、「Canadian Geotechnical Journal 」（IF＝2.802）、「INTERNATIONAL JOURNAL OF GEOMECHANICS」（IF＝2.45）で発表された。
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| 今後の研究の推進方策 |
１）計画の実験の実施 共同研究の対象国（中国）に出張できる条件を満たせれば、成都理科大学で、パルス地震動による斜面崩壊メカニズムを解明するための動的遠心装置を用いて地震による斜面崩壊の模型実験を実施する。また、大型土石流模型実験による土石流の運動特徴の解明や土石流シミュレーション手法を実験で検証する。
２）崩壊土砂の運動シミュレーション手法および土石流シミュレーション手法の高度化と実用化における研究をさらに推進し、次世代統合型土砂災害予測システムを構築する。
３）土の構成式をSPHに取り入れ、岩塊・流木ブロックと土・水粒子を同時に解析できる３D-DDA-SPH手法を確立し、天然ダムの形成と破壊や、岩塊・流木による家屋などの構造物への衝撃による破壊等の予測、砂防堰堤の防災効果の評価などの機能を実現する。
４）GPUを利用した並列計算SPHモジュール、マルチコアCPUを利用した並列計算DDAモジュールを改良し、高効率な3D DDA-SPH並列計算プログラムを開発する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響で共同研究の相手国（中国）への渡航出来なかったので、計画した調査、実験および人員の交流を実現できませんでした。次年度は渡航できる状況に備え、これらの計画の執行は一層積極的に展開したいので、より多くの費用は必要となります。
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