研究課題
課題①:昨年度までに行ったポット試験の微生物叢の解析において、「AZ-97」と「IR64」間で、土壌滅菌後の微生物叢に差が生じていることを明らかにした。特に「AZ-97」のAlphaproteobacteriaの量が「IR64」よりも有意に多いことが判明した。最終年度は、これらの知見を論文として取り纏め、研究専門誌Plant and Soilに投稿し、無事受理・公表された。課題②:昨年度までに「AZ-97/X265」由来のF2集団をマダガスカルの低リン土壌下および国際農研の養分が十分施用された土壌下で栽培し遺伝解析を行い、両試験に共通して第1染色体長腕にAZ-97型で分げつ数を増加させるQTLを検出した。同領域に地上部乾物重のQTLも検出されたが,マダガスカルではAZ-97型、つくばではX265型がそれぞれ地上部乾物重を増やす効果を有していた。最終年度は、これらの成果について、日本作物学会第255回講演会で口頭発表を行った。課題③:課題②で検出したQTLの存在および効果について検証するための準同質遺伝子系統の育成を進め、最終年度において、ターゲット領域のみヘテロ型で遺伝背景は親品種に置換した個体をAZ-97背景(BC4F1)およびX265背景(BC5F1)でそれぞれ選抜した。全体として、コロナ感染拡大のために現地に渡航して実験が進められないなど進捗が遅れ、準同質遺伝子系統を研究実施期間内に完成させて、その評価を行うことができなかったが、今後何かしらの研究課題の中で系統を完成させ、その評価を行い、QTL解析の結果と併せて論文化する予定である。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
Plant and Soil
巻: 未確定 ページ: 未確定
10.1007/s11104-022-05726-5