研究課題/領域番号 |
19KK0155
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
練 春蘭 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 教授 (40376695)
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研究分担者 |
高野 哲夫 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 教授 (30183057)
鴨下 顕彦 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 准教授 (10323487)
則定 真利子 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 准教授 (00463886)
津釜 大侑 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 准教授 (10726061)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2025-03-31
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キーワード | インド / トウジンビエ / 遺伝子 / ゲノム / データベース |
研究実績の概要 |
トウジンビエとヒヨコマメの遺伝子に関するデータベース(ウェブサイト、'TGIF-DB')を2019年度までに作成していたが、2020年度は、'TGIF-DB'において用いられているデータセットを公共レポジトリ'figshare'において公開し、これを国際誌'BMC Research Notes'において紹介した。 2019年度までに実施したゲノムワイド関連解析(GWAS)により、トウジンビエの種子重に関連する遺伝子の候補としてポリガラクチュロナーゼ(PG)遺伝子が見出されていたが、2020年度はPCRによりこの遺伝子の配列を確認し、これとGFPを連結して植物(キャベツ)細胞に一過的に発現させ、GFPのシグナルを基に、当該PGが細胞外で機能すると推定した。 国際半乾燥熱帯作物研究所(ICRISAT)のトウジンビエ系統・品種の中の174系統・品種を、本研究における日本での圃場試験に用いるものとして選定した(2019年度にまでに選定していたものよりも多数である)。これらについては、2005・2013・2014年にインドのICRISAT関連圃場において栽培試験に用いられており、その際に取られた農業形質データが利用可能である。また、それらの中の約50の系統・品種に関しては、RAD-Seq(restriction site-associated DNA sequencing)に基づく遺伝子型データも利用可能である。2020年度はこれらのデータを用いたGWASも行い、収量や草丈に関連するゲノム領域を検出した。 トウジンビエの根の構造や菌根菌感染について予備試験を行った。顕微鏡観察による菌根菌感染率の評価から、トウジンビエはイネよりも高い菌根菌感染率を示すことが示唆された。 高温ストレス等に対するトウジンビエの窒素吸収応答を解析するための水耕実験系を構築し、窒素吸収解析のための予備実験を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
解析に使用予定であった174系統・品種がICRISATから未だに届いておらず、実施予定であった圃場試験が行えていないため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画内の骨子の一部である「更なるトウジンビエのGWAS」「有用遺伝子の発見とその特徴づけ」を実施できるよう、ICRISAT以外の機関からの材料の入手を試みる。インドの圃場を用いた試験の実施も非常に困難であると予想されるため、国内での試験に注力する。解析対象の形質を増やすと共にデータの取得を効率化するため、種々のセンサーを購入した。
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次年度使用額が生じた理由 |
共同研究機関であるインドの国際半乾燥熱帯作物研究所に出張して現地で作業・解析を行う予定であったが、新型コロナウイルスの蔓延によりこれが実施できず、その分が未使用となったため、次年度使用額が生じた。2021年5月現在も現地で作業・解析できる見込みは立っていないため、今後は日本国内での解析に注力する予定である。次年度使用額は、そのような解析に有用な装置・器具の購入に充てる予定である。
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