研究課題/領域番号 |
19KK0162
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小野田 雄介 京都大学, 農学研究科, 教授 (70578864)
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研究分担者 |
小杉 緑子 京都大学, 農学研究科, 教授 (90293919)
飯田 佳子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (40773479)
青柳 亮太 京都大学, 白眉センター, 特定助教 (20795132)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2025-03-31
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キーワード | 熱帯林 / 森林構造 / パナマ / 多種共存 / 森林光環境 / 競争 |
研究実績の概要 |
湿潤で日射の多い地域には、巨大なバイオマスをもつ熱帯林が形成され、地球の物質循環や生物多様性を考える上でも、極めて重要である。近年の研究により、同等の年降水量や気温をもつ熱帯林であっても、東南アジア(旧熱帯)では、中南米(新熱帯)に比べ、突出木(超高木)が多いなど森林構造に有意な違いがあることがわかってきた。この原因は謎である。本研究では、競争と撹乱の関係から、熱帯林の構造の違いを明らかにすることを目的としている。 新型コロナにより長く海外渡航できずにいたが、2022年8月にパナマのスミソニアン熱帯研究所が管理するParque Natural Metropolitano(PNM)において、本格的な調査を開始した。調査対象地は熱帯季節林であり、40m x 40mのプロットを2つ設置し、水平距離5mごとに、林冠クレーンを使い光の鉛直分布を計測した。また胸高直径5cm以上の全ての樹木個体の樹冠形状を計測し、光獲得量を計算した。2023年5月には、熱帯雨林であるSan Lorenzoにおいて、新規の40m x 40mのプロットを1つ設定し、PNMと同様の調査を行った。また2023年12月には小径木のPNMの樹木の成長評価も行い、小径木を含めた成長解析も行えるようになった。これらのデータにより、熱帯季節林と熱帯雨林において、共存する様々なサイズの樹木が、どのように光を得て、成長しているかを評価できるようになった。 その他、代表者・分担者それぞれによって、本プロジェクトに関係する共同研究が進展した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナによる渡航制限によって実施できていなかった調査も実施でき、新規データが無事に取得できたため。
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今後の研究の推進方策 |
現地調査はほぼ完了したため、サンプル処理やデータ解析を進め、論文化を目指す。論文化に当たっては、海外の専門家とも議論を重ねる。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響もあり、少人数、短期間での効率的な調査により、経費を節約できた。今後は、これまでに得たサンプルの分析を進め、データの解釈については、海外の専門家とも議論を重ね、論文化を目指す。これまで新熱帯の調査に焦点を置いていたので、旧熱帯での調査も行う予定である。クレーンサイトがない場所で光環境を計測するシステム開発にも取り組みたいと考えている。
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