研究課題/領域番号 |
19KK0166
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
荒木 徹也 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (40420228)
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研究分担者 |
小西 祥子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (70451771)
関山 牧子 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康研究センター, 主任研究員 (90396896)
佐々木 俊介 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究センター), 助教 (70792208)
池田 真也 茨城大学, 農学部, 助教 (40816823)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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キーワード | 東南アジア / 食塩摂取量 / コールドチェーン / 国民健康改善 / 食事調査 |
研究実績の概要 |
インドネシア・西ジャワ州ボゴール市のボゴール農科大学の学生を対象とし、食事内容に関する構造化インタビューおよび半構造化インタビュー調査を実施するとともに、同大の学生食堂で提供されている食事メニューに含まれる塩分量を測定した。調査対象学生の朝食の欠食率は33.7%であり、食事メニューの平均塩分量は2.76gであった。また、メニューによってはWHOの推奨塩分摂取量5g/dayを1食分で上回ることが分かった。加えて、栄養バランスの観点からは、野菜類の摂取頻度が穀類・肉類と比較して低く、ナトリウム/カリウム比が高い可能性があると示唆された。 また、インドネシア・西ジャワ州ブカシ市のバンタル・グバン廃棄物最終処分場近郊のスラム街に居住する小学生の児童を対象とし、食環境調査ならびに食事調査を行った。調査体調児童の各家庭を訪問し、調理現場や食材の調達元、および食事場所等に関するインタビュー調査を行うと同時に、15名の児童を対象に、1週間連続して毎食の写真撮影による食事調査を行った。その結果、得られる食材の種類や量が限られており、1日3食を食べていない児童も多いことが分かった。また、食事の多くをインスタント麺や米に依存しており、タンパク質やビタミン、ミネラルの栄養素が不足していることが分かった。そのため、調査地のスラム街においては、食材の種類や量が限られていることから、過体重や肥満の問題よりも栄養不足の問題がより深刻であることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年3月16日より現在に至るまで現地共同研究機関であるボゴール農科大学がロックダウン措置を講じており、外国人研究者のみならず同大の教員および学生もキャンパス内への入構を禁止されているという現状にある。また、2020年3月19日からはインドネシアの科学技術庁に相当するRISTEKが外国人研究者に対する調査研究ビザの発給を停止しており、ビザ申請の再開がいつになるのかの見通しが全く立っていない。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は当初、令和5年度に終了する予定であったが、終了年度を1年延長し、令和6年度に終了予定に変更することを検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
簡易センサによる尿測定調査の準備が遅れているために、関連する設備備品の購入を見送ったことによるものである。準備が整えば関連する設備備品を購入するが、新型コロナウイルス感染症の影響により、現地での簡易センサによる尿測定調査の実施が可能となるかどうかは未定であるため、もし関連する設備備品の購入を次年度も見送らざるを得なかった場合には、次々年度に実施予定の国民健康改善に関する社会経済調査の実施規模を当初の予定より拡大する方向で対応する予定である。
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