研究課題/領域番号 |
19KK0168
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
藤巻 晴行 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (90323253)
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研究分担者 |
Kristina Toderich 鳥取大学, 国際乾燥地研究教育機構, 特命教授 (10830101)
齊藤 忠臣 鳥取大学, 農学部, 准教授 (70515824)
大西 純也 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 農村開発領域, プロジェクトリーダー (70829845)
實野 雅太 東京農業大学, その他部局等, 助教 (80808105)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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キーワード | 灌漑 / 塩ストレス / 塩害 / リーチング |
研究実績の概要 |
昨年度に続き、新型コロナウィルス感染拡大により海外出張ができなかったため、数値シミュレーションモデルを用いた灌漑水量の最適化が果たして灌漑水の塩分濃度が高い条件下でも有効なのかどうかを検証する実験を、昨年と同様、国内の2箇所で行った。鳥取大学乾燥地研究センターのガラス温室で4月から7月にかけて緑豆を供試作物として(実験1)、また、9月から12月にかけてジャガイモを供試作物として(実験2)、さらに、11月から3月にかけて石垣島の国際農林水産業研究センター熱帯・島嶼研究拠点のビニールハウスでソラマメを供試作物として(実験3)行った。いずれも水道水による「清水区」、0.1%NaCl水溶液を灌漑水に用い、期間中1回もしくは2回FAOの基準に基づきリーチングを行った「標準区」、同じく0.1%NaCl水溶液を灌漑水に用い、毎回の灌漑水量を最適化する「最適化区」の3区を3反復で比較した。その結果、実験1と実験2ではいずれも最適化区が標準区に比べ高い純収入を与えたが、実験1では標準区の自動灌漑の設定が厳しすぎた(節水しすぎた)上に、リーチングの実施が遅すぎたため、適切な比較とは言い難くなってしまった。実験3では大雨でビニールハウス内の地下水位が上昇してしまったことに加え、生育後期の作物係数を過大評価して過剰灌漑となってしまったため、標準区の純収入が最適化区のそれを上回った。実験2の結果を国際誌に投稿する予定である。昨年度の緑豆での実験結果は国内誌(沙漠研究)に英文で投稿し、現在査読中である。その他、塩類集積とその対策に関する論文を2本、国際誌で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和2年3月に予定していた圃場実験システムの設置のためのウズベキスタンへの出張、さらに初期土壌塩分調査および播種作業のための令和2年5月のウズベキスタン出張も新型コロナウィルスの感染拡大により取りやめとなったため、予定していた現地栽培実験が2年間行えていない。
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今後の研究の推進方策 |
ようやく渡航できる見通しがついたため、6月末から現地で栽培実験を開始する予定である。一方で、引き続き渡航ができる保証ははいため、鳥取大学乾燥地研究センターのガラス温室での緑豆を供試作物とする塩水灌漑栽培実験を6月から再度行なう予定ある。また、石垣島の国際農林水産業研究センター熱帯・島嶼研究拠点のビニールハウスでのソラマメを供試作物とする塩水灌漑栽培実験も10月から再度行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染蔓延により予定していた渡航ができなくなったため。令和4年度には渡航が再開されるため、旅費(2名3回ずつ)と物品費(主に土壌水分センサー購入)と現地での作業員に対する謝金に使用する予定である。
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