研究課題
本研究の目的は、ダイナミンによる膜切断機構およびBARドメイン蛋白質による制御機構、さらにダイナミンの異常に起因する難治性疾患の発症機序を明らかにすることである。この目的の達成に向け、代表者(竹田)が細胞生物学的に解析を進めている、ダイナミンやBARドメイン蛋白質による「複雑な」細胞内膜リモデリング機能を、海外共同研究者(McMahon)や分担者(竹居)が開発したin vitro再構成系を用いて「単純化」して再現し、電子顕微鏡による構造解析(竹居)、高速AFM(内橋)や蛍光偏光顕微鏡(谷)を用いた分子動態イメージング解析を行う。さらに、得られたデータの定量的解析をもとに、ダイナミンによる膜切断機構の数理モデルを使った検証を試み(西上)、ダイナミンによる膜切断機構の作動原理とその破綻による疾患発症機序の解明を目指す。初年度はキックオフミーティングを開催し、チームメンバーによる議論を通じて、プロジェクトの進捗状況および今後の研究の方向性について確認した。また海外共同研究者であるHarvey McMahon博士を、第58回日本生物物理学会年会に招聘し、その際に日英全てのメンバーによるミーティングを行うことを決定した。代表者(竹田)は、初年度に計3ヶ月間McMahon研究室に滞在し、研究を行う予定であったが、新型コロナ感染拡大の影響により、渡英は次年度以降に行うこととした。その間、代表者(竹田)はダイナミンファミリーやBARドメイン蛋白質の精製蛋白質の調製を行い、分担者(竹居、内橋)と共同で、電子顕微鏡および高速AFMを用いて膜リモデリング分子のin vitro解析の準備を進めている。また分担者(谷、西上)は、分子動態イメージングとそのデータに基づいた数理モデリングの準備を進めている。
2: おおむね順調に進展している
初年度はキックオフミーティングを開催し、チームメンバーによる議論を通じて、プロジェクトの進捗状況と今後の方向性に関して確認した。また海外共同研究者であるHarvey McMahon博士(MRC-LMB)を、第58回日本生物物理学会年会に招聘し、その際に日英の全てのメンバーによるミーティングを行うことを決定した。代表者(竹田)は、初年度に計3ヶ月間McMahon研究室に滞在し、疾患型ダイナミンのin vitro膜リモデリング解析を行う予定であったが、新型コロナ感染拡大の影響のため、渡英は次年度以降に行うこととした。その間、代表者(竹田)は、ダイナミンファミリーやBARドメイン蛋白質の精製蛋白質の調製を進めており、分担者(竹居、内橋)と共同で、膜リモデリングのin vitro再構成系の電子顕微鏡および高速AFMによる解析を進めている。また分担者(谷、西上)は、分子動態イメージングとそのデータに基づいた数理モデリングの準備を進めている。以上のように本研究はおおむね順調に進展している。
代表者(竹田)は引き続き研究の統括およびダイナミンファミリーやBARドメイン蛋白質の精製蛋白質の調製や細胞生物学的解析を行う。また分担者は、海外共同研究者(McMahon)や分担者(竹居)が開発した膜リモデリングのin vitro再構成系を用い、電子顕微鏡による構造解析(竹居)、高速AFMによる分子動態解析(内橋)、蛍光偏光顕微鏡解析(谷)と数理モデリング(西上)を行う。代表者(竹田)は計3ヶ月間McMahon研究室に滞在し、疾患型ダイナミンのin vitro膜リモデリング解析を行うと共に、MRC分子生物学研究所の研究者とのネットワーキングを積極的に行い、今後の研究発展に不可欠な、学術的・人的な基盤づくりに努める。今後の具体的な実験として、1.ダイナミンによる膜切断機構の解明:(1)電子顕微鏡および高速AFMによる分子構造・動態解析;(2)蛍光偏光顕微鏡による膜切断過程におけるダイナミンの分子配向解析、2.BARドメイン蛋白質による膜切断制御機構の解明:(1)BARドメイン蛋白質によるダイナミンの膜切断制御機構の解析;(2)BARドメイン蛋白質による新規膜切断機構の解析、3.ダイナミン異常疾患の発症機序の解明を計画している。
当該助成金は、初年度に予定していたイギリスMRC分子生物学研究所における計3ヶ月間にわたる滞在が、新型コロナ感染拡大の影響でキャンセルとなったために生じたが、翌年度分として請求した助成金と合わせて、翌年度における渡航,滞在費用として使用する。
すべて 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 11件)
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巻: - ページ: -
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