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2022 年度 実績報告書

アノールトカゲを用いた温度ニッチシフトの進化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19KK0184
研究機関東北大学

研究代表者

河田 雅圭  東北大学, 生命科学研究科, 教授 (90204734)

研究分担者 赤司 寛志  東京理科大学, 先進工学部生命システム工学科, 研究員 (00808644)
牧野 能士  東北大学, 生命科学研究科, 教授 (20443442)
研究期間 (年度) 2019-10-07 – 2023-03-31
キーワード温度適応 / アノールトカゲ
研究実績の概要

6種のアノールトカゲ複数種の全ゲノムを用いて、生息温度環境の類似する系統で共通して塩基配列が大幅に変化(加速進化)した領域を調べることにより、温度適応に寄与する候補ゲノム領域の検出を行った。その結果、開放部の高温環境と森林部の低温環境に生息する系統の双方で概日リズム調節や行動などに関わる遺伝子やその近傍で加速進化が検出され、これらの機能が生息環境への適応に重要であったことが示唆された。
昨年度実施したキューバ産およびプエルトリコ産アノールトカゲにおける計5種の比較トランスクリプトーム解析を継続した。26℃と33℃という温度処理のもとで変動した遺伝子(DEG; すなわち発現量に温度感受性がある遺伝子)と、Expression Variance and Evolutionモデル(Phylogenetic ANOVA; 系統特異的に発現量のベースが変化している遺伝子)によって検出した遺伝子を比較した。プエルトリコ産アノールトカゲにおいて、両条件に合致する遺伝子として高温刺激によって活性化されるTRPV1チャネルを検出した。本種は低温嗜好性をもつことが示唆されている。他種に比べて高いTRPV1発現量を維持し、高温刺激を敏感に感知することで、自身にとって危険な高温環境を避けていることを示唆している。これまでの研究で、温度感受性TRPの活性化温度という配列ベースで決まる性質が高温刺激に対する応答として重要であることは示唆されてきたが、本年度の解析によって、温度感受性TRPの発現量調節による環境応答も重要である可能性を示唆する結果を得ることができた。また、新たなモデル生物種としてソメワケササクレヤモリを用いたて現段階としては、温度に対する応答について他の生物種との比較を行った。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [国際共同研究] キューバ自然史博物館/ハバナ大学(キューバ)

    • 国名
      キューバ
    • 外国機関名
      キューバ自然史博物館/ハバナ大学
  • [国際共同研究] Tulane University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Tulane University
  • [雑誌論文] Draft genome of six Cuban Anolis lizards and insights into genetic changes during their diversification2022

    • 著者名/発表者名
      Shunsuke Kanamori, Luis M. Diaz, Antonio Cadiz, Katsushi Yamaguchi, Shuji Shigenobu Masakado Kawata
    • 雑誌名

      BMC Ecology and Evolution

      巻: 22 ページ: 129

    • DOI

      10.1186/s12862-022-02086-7

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Chronology of embryonic and gonadal development in the Reeves’ turtle, Mauremys reevesii.2022

    • 著者名/発表者名
      Akashi, H., M. Kubota, H. Yamamoto, K. Miyaoku, G. Yamagishi, and S. Miyagawa
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 12 ページ: 11619

    • DOI

      10.1038/s41598-022-15515-w

    • 査読あり
  • [学会発表] キューバ産およびプエルトリコ産アノールトカゲにおける温度適応に伴う遺伝子発現量進化2022

    • 著者名/発表者名
      赤司寛志, 宮川信一, 河田雅圭, Alex Gunderson.
    • 学会等名
      日本動物学会第93回大会
  • [学会発表] アノールトカゲの遺伝子発現の温度順化の進化と 転移因子による HSE の拡大との関連2022

    • 著者名/発表者名
      金森駿介・河田雅圭
    • 学会等名
      第23回日本進化学会
  • [学会発表] アノールトカゲの温度適応進化に関わるゲノム内保存・加速領域の検出2022

    • 著者名/発表者名
      坂本芙久・金森駿介・ Luis M. Diaz・Antonio Cadiz・ 石井悠・ 山口勝司・重信秀治・河田雅圭
    • 学会等名
      第23回日本進化学会

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公開日: 2023-12-25  

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