研究実績の概要 |
R4年度中に、プロテオミクス解析の高品質なリファレンスデータを得るために、Aduncisulcus palusterとDysnectes brevisのゲノム・トランスクリプトームデータ、Kipferlia bialata, Trepomonas sp. (NIES-1444株), Hexamita sp. (NIES-1440株)のトランスクリプトームデータの整備を終えた。MROのプロテオミクスについては、密度勾配超遠心法によりDysnectes brevisのMROタンパク質の精製濃縮実験を繰り返し行い、iTRAQ解析の試料の蓄積に努めた。 R5年度には、まず、D. brevisのゲノム・トランスクリプトームデータのアノテーションを行い、それをリファレンスデータとして精製タンパク質(MROリッチ画分およびその他の画分)のiTRAQ解析を行った。得られたデータをもとに、多変量統計学の手法を用いてクラスタリング解析を行い、D. brevisのMROタンパク質の大部分が含まれると考えられるクラスターを特定した。さらに、推定MROタンパク質のうち、serine hydroxymethyl transferase, Fe-Fe hydrogenase, Acyl-CoA synthetase-like proteinについて、間接蛍光抗体法でそれらのMRO局在を確認する実験を開始した。また、K. bialata, D. brevisで共通に存在する、あるいは一方のみに存在すると考えられる推定MROタンパク質のうち、未だ分子系統樹が公表されていないものについて、アライメント・分子系統解析を行った。 一方、K. bialata, Trepomonas sp., Hexamita sp.のトランスクリプト―ムデータのアノテーションを完了し、3者のデータをまとめて論文投稿した。
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