研究課題/領域番号 |
19KK0189
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
湯本 貴和 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (70192804)
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研究分担者 |
佐藤 駿 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 特任助教 (30845821)
幸島 司郎 京都大学, 野生動物研究センター, 教授 (60183802)
山中 裕樹 龍谷大学, 理工学部, 講師 (60455227)
村松 大輔 奈良教育大学, 自然環境教育センター, 特任准教授 (80635417)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2022-03-31
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キーワード | アマゾン / 浸水林 / 水域ーと陸域インターフェイス / 生物間相互作用 |
研究実績の概要 |
アマゾン熱帯雨林では、乾季と雨季でアマゾン川流域の水位が10m以上も変動し、その特異な物質循環によって高い生物多様が維持されている。浸水林で雨季に森林が水没し、乾季に小水系が毛細血管のように広がっていく。そのため、この環境では被食者ー捕食者関係を通じて、通常では見られない生物種の拡散や隔離が起こる。水没した果実を魚類に食べさせることで種子散布をおこなう樹木や、水域が細かく分断される ことによって捕食者から断絶される魚類、水位の変動に合わせて遊動域を変える霊長類など、浸水林では特有の生物間相互作用が起こる。このような生物種の拡散や隔離は、各々のニッチェの分割や生殖隔離を引き起こし、そこから種分化が起こった可能性がある。本研究はこの水域と陸域とのインターフェイスである浸水林の生態系が生物多様性の構築・維持にどのような役割を果たしているかという問いを検証する。初年度である本年度は、共同研究の共用べースラインとして整備すべく、植物・植生調査と大中型哺乳類・鳥類・中大型魚類の生態学的・行動学的な調査を開始するための研究打ち合わせをおこなった。研究分担者である村松大輔と佐藤駿が3月初旬にブラジルに渡航し、IMPA(国立アマゾン研究所)の共同研究者と直接、研究打ち合わせをおこなった。湯本貴和と幸島司郎も3月中旬にブラジルに渡航して合流する予定であったが、コロナ禍で渡航不能になった。一度はオンラインで共同研究についての打ち合わせをおこなったが、ブラジル側の通信環境が悪く、回数を重ねることができなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍で、湯本貴和と幸島司郎も3月中旬にブラジルに渡航して合流する予定であったが、渡航不能になった。一度はオンラインで共同研究についての打ち合わせをおこなったが、ブラジル側の通信環境が悪く、回数を重ねることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
国内の共同研究者間でオンラインで打ち合わせを進め、ブラジル側とも適宜、連絡をとりながら、初夏以降、すみやかに調査ができる体制にもっていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で予定していたブラジルへの渡航がキャンセルとなったためで、次年度には精力的に現地にでかけて、研究調査を推進する。
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