研究課題/領域番号 |
19KK0191
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
松田 一希 中部大学, 創発学術院, 准教授 (90533480)
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研究分担者 |
豊田 有 中部大学, 創発学術院, 客員研究員 (30838165)
香田 啓貴 京都大学, 霊長類研究所, 特定准教授 (70418763)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2025-03-31
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キーワード | 霊長類 / 東南アジア / 犬歯 / 性的二型 |
研究実績の概要 |
本研究では、複雑な島嶼に適応放散したアジア産の霊長類種を対象に、特殊化したオス形質発現に潜む、行動生態基盤や性認知、進化原理について、蓄積された長期生態観測と認知行動実験を融合して探索していくことを目標としている。本年度は主として、昨年度まで新型コロナウィルス感染症の影響により実施できなかった海外調査を可能な限り実施し、研究プロジェクトを軌道に乗せることを目指していた。特に、入国の規制緩和が進み、調査が可能なタイ王国などで重点的にフィールドデータを収集していくことを計画していた。計画通り、タイ王国でのフィールド調査を実現することができた。しかし、調査地において、長期の研究者不在期間に研究対象としていた霊長類種の群れの移動域が変化していたり、識別できない新しい個体の流入があるなど、即座に計画していた実験を実行できなかった。現在、研究対象とする群れの移動範囲を再確認し、新たな個体の識別などを進めている。マレーシアなどの海外調査地については、新型コロナウィルス感染症の影響で、未だ渡航できない状態であったため、渡航規制以前に収集していたビデオデータの解析などを行った。また、海外渡航が困難であるため、日本モンキーセンターが所蔵する霊長類の骨格、液浸標本を対象として、特に性的二型が顕著な霊長類種の犬歯サイズなどの形態計測を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症による海外渡航の制限が大きな要因である。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き、新型コロナウィルス感染症の影響で海外渡航の目処が立たない場合は、国内で利用可能な霊長類の骨格標本などの計測や、ビデオ分析などを重点的に実施していく。また、唯一渡航可能となっているタイ王国においては、現地調査基盤の再整備を早急に進め、野外認知実験を行う体制を整える。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、新型コロナウィルス感染症により、予定していた海外渡航がキャンセルとなったことが大きな要因であった。また、その使用計画としては、海外渡航による現地滞在期間を当初の計画よりも延長し、また、計画変更により新たに実施している、国内における霊長類種の骨格標本の計測において、経費を使用していく予定である。
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