研究課題/領域番号 |
19KK0201
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
矢幡 一英 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (40467965)
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研究分担者 |
佐倉 孝哉 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (60816726)
アサレ クワメ・クミ 長崎大学, 熱帯医学研究所, 特任研究員 (70854222) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2022-03-31
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キーワード | マラリア / メロゾイト / 滑走運動 |
研究実績の概要 |
重症マラリアの病原体である熱帯熱マラリア原虫は、宿主赤血球に感染して致死的な病原性を示すため、赤血球感染を阻害することで原虫増殖を防ぎ、病状を抑えることができると考えられる。本研究は、我々が最近発見した赤血球侵入期に用いられる熱帯熱マラリア原虫メロゾイトの「滑走運動」に着目する。これまで、メロゾイトの滑走運動時間と赤血球侵入時間に相関性が見られたこと、メロゾイトの赤血球接着時に起こる赤血球変形がメロゾイトの滑走運動によって起こされていることが示唆された。しかしながら、未だメロゾイトの滑走運動と赤血球侵入に関わるワクチン抗原候補として考えられる原虫分子は同定出来ていないことから、マラリア原虫メロゾイトの滑走運動に関わる分子を明らかにし、マラリア原虫メロゾイトの基質上での滑走運動および赤血球接着時における赤血球変形の動きの背景にある分子機序を明らかにすることでマラリア克服のための新たな標的とシーズを創出する。本年度は以下の研究成果が得られた。 1.メロゾイトの赤血球膜接着と滑走運動が細胞特異的に起こるのか血管内皮細胞と比較したところ、赤血球特異的な現象であることが分かった。 2.滑走運動に関わる原虫分子のうちメロゾイト表面に提示される分子を明らかにするため、メロゾイトをプレート基盤上で滑走運動させた後に固定化し、メロゾイト表面分子に対する抗体ライブラリを用い免疫染色を行なった。滑走運動に関わる候補分子としてMSP1、AMA1、RON4の抗体で滑走運動の軌跡を調べたが反応しなかったため滑走運動には関わっていないことが示唆された。これまで得られている滑走運動時に軌跡を示したメロゾイト分子に対する薬剤誘導型遺伝子ノックアウト原虫と、原虫表面分子を繋ぐコネクター分子にタグを付加した遺伝子組換え原虫の作出を引き続き行なっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
滑走運動に関わると考えられる原虫分子の薬剤誘導型遺伝子ノックアウト原虫と、コネクター分子にタグを付加した遺伝子組換え原虫を作出中であり、作出次第、滑走運動に関わる分子の特定を行なう。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度に海外渡航先で遺伝子組換え原虫の作出を計画していたが、コロナウイルスの影響により渡航が困難になる可能性があったため、国内で作出できるように薬剤誘導型遺伝子ノックアウト原虫株の手配を行なったので遺伝子組換え原虫の作出など実験はスムーズに行なえるものと思われる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大により海外渡航研究が困難となったため、次年度使用額が生じた。次年度は新型コロナウイルス感染による影響を見据えながら海外で行なう実験サンプルの調整を行なう。また、海外渡航が困難となる可能性もあることから、海外共同研究者とオンラインシステム等で密に相談し、国内でできうる実験方法に変えるなど、今後の状況にフレキシブルに対処する。
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