研究課題
自己免疫疾患は超高齢化社会の日本と世界の先進国で増加している。現在の自己免疫疾患の治療法は、ステロイドや免疫抑制剤を使用し、全身の免疫を抑制してしまうため、重篤な感染や発がんなどのリスクがある。そのため、発症メカニズムに基づいた治療戦略の開発が急務である。この度、私たちは自己免疫疾患発症や増悪の要因として、病巣感染に着目した。病巣感染がどのようにして自己免疫疾患を誘因するか、その詳細な病態メカニズムは不明な点が多い。これまでの私たちの研究成果を発展させて、各専門分野の先端研究者である海外共同研究者と協力し、病巣感染の病態メカニズムに迫ることを目指す。将来、高齢者でも安心な合併症の少ない、発症メカニズムに基づいた治療法の開発への貢献を目指す。
2: おおむね順調に進展している
海外共同研究者の研究室を若手研究者とともに訪問し、実験予定であったが、新型コロナウイルス感染が世界に拡大し、パンデミックとなってしまったため、残念ながら2020年度中に訪問することはできなかった。海外共同研究者とはメールやオンラインで打ち合わせを行い連絡をとりつつ、パンデミックが終焉した際には現地における実験をすみやかに行えるように双方で実験をすすめている。昨年度は論文をまとめるに際し、今後の研究の推進に際しての打ち合わせとともに、大変有意義なhelpful discussionを行いフィードバックを得て、最終的にPNASに発表をすることができた。
パンデミックの状況をふまえ、安全に渡航できる状態になったら、海外共同研究者の研究室を若手研究者とともに訪問し、実験をすぐに行えるよう、双方で準備実験やデータベース解析などを行っている。
新型コロナウイルス感染拡大により、2020年度は名古屋市立大学大学院医学研究科からは海外渡航は一切禁止となり、解除されなかった。海外からの招聘もパンデミック状況下、安全な招聘は不可能であったため、パンデミックが落ち着き安全な状況になってからの渡航・招聘をする計画に変更とし、予定していた名市大からの海外共同研究先への訪問、海外共同研究者の招聘を来年度以降に延期とした。
すべて 2021 2020 その他
すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件) 備考 (2件)
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