研究課題/領域番号 |
19KK0203
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
切替 照雄 順天堂大学, 医学部, 教授 (50192563)
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研究分担者 |
多田 達哉 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00624644)
大城 聡 順天堂大学, 医学部, 助教 (80766379)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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キーワード | 緑膿菌 / カルバペネム耐性 / ミャンマー |
研究実績の概要 |
地球規模で拡大している薬剤耐性菌(AMR: Antimicrobial Resistance)、特に抗菌薬の切り札であるカルバペネム耐性菌の克服は、人類が共同で取り組むべき最重要課題である。本研究では、ミャンマー国立衛生研究所 (NHL: National Health Laboratory) とカルバペネム耐性緑膿菌に関する国際共同研究を実施する。具体的には、この地域で検出される多様なカルバペネム耐性因子がどのような病原因子と連鎖・関連して伝播・拡大しているのかを全ゲノム配列を基盤とした比較ゲノム解析で明らかにする。さらに、分離したカルバペネム耐性緑膿菌株の病原性及びその分子基盤を明らかにする。このうち、研究代表者はNHLを拠点として、カルバペネム耐性緑膿菌の収集、薬剤感受性試験及びカルバペネマーゼ産生試験を実施する。 本年度は、本研究計画「ミャンマーの医療施設で実施可能な薬剤耐性菌検出システムに関する国際共同研究」に関する共同研究協定(MOU: Memorandum of understanding)を順天堂大学及びNHL間で締結した。 現在、ミャンマーの医療施設で分離された緑膿菌146株を収集し、イミペネムおよびメロペネムを含むカルバペネムに対する薬剤感受性試験(MIC: Minimum Inhibitory Concentration)を実施した結果、MIC 8ug/ml以上を示すカルバペネム耐性緑膿菌130株をスクリーニングした。全ゲノム解析から、IMP型メタロ-β-ラクタマーゼ(MBL)、VIM型MBL、DIM型MBLの産生が確認され、アジアやヨーロッパで流行しているMBLを産生していることが明らかとなった。Sequence Type (ST)は世界各国で流行しているST235ではなくST1047が多く分離された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順天堂大学とミャンマー側研究機関NHL(National Health Laboratory)との研究協定が締結され、カルバペネム耐性緑膿菌も順調に収集している。
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今後の研究の推進方策 |
世界流行株ST235とミャンマー流行株ST1047の比較ゲノム解析を実施し、ST1047特異的な病原因子の特定を行う。特定した病原因子をシャトルベクターにクローニングし、病原性の低いPseudomonas putidaに発現させ、それをカイコに接種することで病原因子のスクリーニングを実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響で試薬が購入できなくなったため。
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