研究課題
英国・ロンドン大学衛生学熱帯医学大学院(London School of Hygine and Tropical Medicine, LSHTM)およびフィリピン共和国・熱帯医学研究所との国際共同研究で、感染対策の進むフィリピンでマラリアの撲滅地域、対策有効地域、現在も感染がある地域の3地域について、地域住民のコホートを設定してマラリアの免疫記憶を調査研究する計画である。2021年度は、新型コロナウイルスのパンデミックが猛威を振るい、英国とフィリピンへは渡航不可能な1年間であった。そのために、本研究課題に必須の現地調査を開始することはできなかった。一方、研究に必要な倫理審査は昨年度中に受理され、今年度は研究に必要な物品の整備と刻々と変化する新型コロナ感染の現状を分析しながら調査研究が可能になる時期を待ったが、年度内に調査を実現することはできなかった。上記の状況において、英国LSHTMの研究者とは、およそ2週間に一度の頻度でZOOMを用いた研究打ち合わせを行い、来たる日の調査研究に向けて準備を整えた。また、過去のLSHTMとフィリピン熱帯医学研究所の調査研究のまとめと論文化を進める過程に我々も参画し、共同研究を進めた。また、マラリア免疫記憶に関する研究についてはマウスモデルを用いた研究を進めているが、その研究データについてもオンラインで議論を深めることができた。以上のように、現地調査研究の準備を進めた1年間であった。
4: 遅れている
新型コロナウイルスのパンデミックが猛威をふるっており、英国やフィリピンへの渡航は不可能な1年間であった。そのため、対面での研究打ち合わせやフィリピン現地での調査研究を開始することができなかった。よって、研究は遅れていると評価せざるを得ない。
2022年度には、新型コロナウイルスの脅威も弱まり、英国やフィリピンへの海外渡航が可能になることが期待できる。既に研究打ち合わせは十分に行っており、海外渡航が可能になり次第フィリピンでの調査研究を開始する予定である。
海外渡航が不可能であったため、フィリピンでの現地調査ができなかったために次年度使用が生じた。繰越し金は、英国やフィリピンへの渡航費用や、現地での調査費用に充てる予定である。
すべて 2022 2021 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件) 産業財産権 (1件)
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