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2020 年度 実施状況報告書

膵臓がんのがん間質ダイナミクスを制御する機能性RNAの同定と標的化

研究課題

研究課題/領域番号 19KK0209
研究機関名古屋大学

研究代表者

新城 恵子  名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (40641618)

研究分担者 近藤 豊  名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (00419897)
榎本 篤  名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (20432255)
研究期間 (年度) 2019-10-07 – 2022-03-31
キーワードがん関連線維芽細胞 / 膵臓がん / 長鎖非翻訳RNA
研究実績の概要

がん細胞に対する分子標的治療薬の開発が目覚ましく進む中、膵臓がんにはいまだ有効な治療法がない。その原因の一つとしてがん細胞の周囲に存在するがん関連線維芽細胞(CAF)とがん細胞の相互作用があげられる。CAFにはがんの悪性化に促進的に働くCAFのみならず、抑制的に働くCAFが存在することが明らかになってきている。
本研究ではCAFの可塑性にかかわり、一方でCAFの個性を規定する分子として長鎖非翻訳RNA (long non-coding RNA, lncRNA) に注目し、トロント大学のDaniel Schramek 博士と国際共同研究を推進する。膵がん自然発症モデルおよび膵臓がん細胞皮下移植モデルを用いてCRISPRiによるlncRNAのin vivo網羅的解析システムを構築し、膵臓がんの進展にかかわるCAF関連lncRNAの同定を試みる。さらに同定した膵臓がんの悪性化にかかわるlncRNAを標的とした核酸医薬の開発を試みる。
CRISPRスクリーニングのため、ヒトとマウスで保存されているlncRNA を約190種選択した。それぞれのlncRNAに対するsgRNAの設計はSchramek 博士が行い、合成も完了した。
1次スクリーニングはin vitroが良いと考え、膵臓がん同所移植マウスモデルからCAFの樹立を試みた。まず、必要な遺伝子が組み込まれているマウスを用意するため、Maflin-tdTomato, Cas9-GFPを掛け合わせたマウスを作成した。これらのマウスにマウス由来の膵臓がん細胞を移植したのちに膵臓を取り出し、CAFを回収した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

マウス膵臓がんからのCAFの樹立は予想以上に困難であった。同所移植マウスモデルを作成し、移植後3週間で膵臓を摘出し、MACSなどを用いてCAFのみをソートし培養を開始したが、がん細胞がどうしても混入してしまい、CAFが死滅してしまうことが多かった。これまでに20個体以上のマウスからCAFを樹立し、ようやく1セルライン樹立できた。
また、本年度は新型コロナウイルス感染拡大のため、海外に行くことができなかった。そのため、Schramek ラボに行き、実験をすることができなかった。そのため、Schramek ラボのメンバーがsgRNAライブラリのレンチウイルスを作成した。

今後の研究の推進方策

CAFの樹立のため、培養液の工夫やMACS後にさらにFACSでなるべく純粋にする方法を考えている。Meflin-Cas9のCAFが樹立できていないので、樹立できたCAFにCas9発現ベクターを導入して実験に使用できるよう準備中である。
スクリーニング用のCAFが樹立できない場合、In vivoでのスクリーニングも検討中である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染の拡大のため、海外出張が不可能であった。
海外学会の参加および共同研究者のラボに滞在しての研究ができなかったので、次年度に海外渡航の規制が緩まったら、共同研究先での実験を行いたい。

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公開日: 2021-12-27  

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