研究課題/領域番号 |
19KK0215
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
佐々木 崇了 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (10461253)
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研究分担者 |
樋口 隆弘 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (30739850)
渡部 昌実 岡山大学, 大学病院, 教授 (70444677)
明日 卓 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (50786738)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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キーワード | PET / 抗体 / ジルコニウム89 / 画像診断 |
研究実績の概要 |
研究はドイツーヴュルツブルグ大学におけるニ重特異性を有する次世代の人工抗体作成技術を導入し、本国研究組織におけるイメージング技術と融合することで、がん特異性を飛躍的に向上させたイメージング基盤技術の創出を目的とする。複数のがん抗原を同時に標的とした放射標識低分子抗体プローブを作成し、2種のがん抗原の重複を可視化することで、特異性と感度を向上させた診断薬を開発する。2020年度はドイツーヴュルツブルグ大学において開発された2種のニ重特異性抗体、anti-CD3-CD38(scfv) およびanti-CD3(VH)-SLAMF7(scfv)をもちいて、カニクイザルにおける安全性試験を行った。投与後4日後までの一般的性状および剖検により、著変は認められなかった。またPETプローブ化のための検討として、抗体標識のためのキレーター修飾の最適化および放射標識条件の検討を行った。モデルとなる低分子抗体にキレーター修飾および放射標識を施し、抗体の特異性および安定性を評価した。さらにこれらPETプローブをマウスに投与し、抗体の特性による集積をPETイメージングにて確認した。PETプローブ化した抗体は、修飾および標識前の特異性を維持しており、またイメージングにて観察する期間(1-7日間)において、安定性を確認できた。マウスにおけるイメージングでは投与後、1-2日後に抗原の発現が有意な場所に集積を示し、低発現のコントロールマウスおよび、特異性を持たないコントロール抗体と比較した時に有意な差が認められた
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年1月より世界的なCOVID-19における感染波及により日独の研究者移動に支障をきたしている。本研究ではドイツにおける独自技術の取得が必須であり、 ヴュルツブルク大学における研究者派遣ができておらず、Webベースにおける検討を主とした準備を進めている状況である。研究資源の送付等で実施できる研究については実施可能であるが、技術交流については実施できていない。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19における感染波及の鎮静化を待ち、研究者派遣を行い、研究を遂行する。今後の情勢如何では、研究期間の延長及び、研究者の移動を伴わない研究方法を検討していく。また研究期間の延長も視野に入れ、研究計画を見直す予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年1月より世界的なCOVID-19における感染波及により日独の研究者移動に支障をきたしているため、旅費滞在費の執行状況が遅延している。事態の鎮静化とともに計画通りに研究者派遣を行う予定である。
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