研究課題/領域番号 |
19KK0217
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
鈴木 敏彦 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10292848)
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研究分担者 |
星野 仁彦 国立感染症研究所, ハンセン病研究センター 感染制御部, 室長 (20569694)
吉田 光範 国立感染症研究所, ハンセン病研究センター 感染制御部, 主任研究官 (70772630)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2022-03-31
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キーワード | ブルーリ潰瘍 / 比較ゲノム解析 / 感染伝播 / 西アフリカ |
研究実績の概要 |
ブルーリ潰瘍はMycobacterium ulceransの感染が原因であり、また河川の流域に流行地域が集中することから主に水系環境が原因でヒト皮膚に感染すると考えられている。しかし、自然界におけるリザーバーの有無、感染伝播の様式、感染によって生じる皮膚潰瘍の病態機序は現在でも謎に包まれている。M. ulcerans の検出には、本菌に特異的とされる挿入配列を指標としてPCRによって検出する方法がよく用いられているが、実際に本菌由来のDNA断片が検出されているのか検証されていない。そこで本研究では、検出される環境中の全てのM. ulceransがブルーリ潰瘍の起因菌となるのではなく、「病原因子」を有する一部の集団が感染症の原因となるのでは?という新たな仮説を提出する。これを検証することにより、自然界におけるM. ulceransの生態とヒトへの感染経路の一端を解明する。 2019年度には、まず国内での遺伝子解析の新しい技術を導入した。細菌の培養を経ずに直接single bacteriumよりゲノム解析を行う方法を導入して予備検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年にガーナへの渡航を計画していたが、2020年2月より渡航の自粛と3月からの国境封鎖および国際便の運行停止が続き、メール等の打ち合わせに限られてしまったことにより調査地域が決定していない。
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今後の研究の推進方策 |
今後、ガーナ国境封鎖の解除および国際便の運行が回復した際には、ガーナ大学野口記念医学研究所を訪問し、共同研究者との打ち合わせと調査サイトの策定を進める
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次年度使用額が生じた理由 |
研究開始後に、ガーナおよびコートジボワールへの渡航および調査の計画を立てていたものの、2020年からパンデミックを引き起こした新型コロナウイルス感染症による影響で国際便の運行停止、渡航予定国の国境封鎖と入国者の強制隔離、本邦外務省からの渡航中止勧告など多くの問題が生じ、渡航することができない状態である。今後、状況が改善した場合には速やかな渡航と調査を計画している。
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