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2020 年度 実施状況報告書

悪性脳腫瘍のエピゲノム異常が誘導するネオアンチゲンを標的とした新規治療戦略の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19KK0228
研究機関名古屋大学

研究代表者

夏目 敦至  名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (30362255)

研究分担者 大岡 史治  名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (10725724)
青木 恒介  名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (10759773)
平野 雅規  愛知県がんセンター(研究所), 分子腫瘍学分野, 研修生 (40823076)
研究期間 (年度) 2019-10-07 – 2023-03-31
キーワード脳腫瘍
研究実績の概要

腫瘍形成前である生後60日、腫瘍形成早期―後期である生後90日、110日、130日のMADMマウスよりGFP陽性細胞をFACSセルソーティングにて回収した。これらの細胞を用いてシングルセル解析による遺伝子発現解析を行い、クラスタリング統計解析を行うことで、治療前の組織多様性の分子背景を探索した。また、MADMマウスに対して、現在の悪性脳腫瘍の標準治療薬であるテモゾロミドの投薬を行った。MRI撮影にて治療効果を評価し、治療終了後に残存、増大するGFP陽性細胞をFACSセルソーティングにて回収し、これらの細胞を用いて、全エクソン変異解析、RRBS法によるDNAメチル化解析、ChIP-Seq法によるエンハンサー領域の同定と立体構造解析を行った。RNA-Seq法にて遺伝子発現解析を行った。これらの結果と未治療腫瘍細胞を比較して治療抵抗性に寄与する候補異常分子を同定した。
治療後のマウスより髄液を回収しctDNAを抽出する。高感度遺伝子解析法であるデジタルPCR法を用いて、治療抵抗性細胞群に特異的にみられた遺伝子異常のctDNA解析法を確立した。ctDNAはごく微量であるため、もしも確立が困難であれば、マウスの髄液もしくは血液中のエクソソームに含まれるDNA、RNAを解析することも検討するというトラブルシューティングを計画していたが、新しい技術として、ナノワイヤの開発に成功し、微量のctDNAの捕捉することができ、本件も論文として成果発表することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

COVID-19の影響で人材派遣ができず、カナダトロントとの共同研究が円滑に進まなかった。研究試料の到着も遅延した。しかし、可能な範囲での研究成果を発表することができた。

今後の研究の推進方策

IDH, H3F3A遺伝子異常脳腫瘍マウスモデル、PDX脳腫瘍マウスモデルの樹立と解析を行う予定である。具体的には、IDH, H3F3A遺伝子異常はそれぞれIDH1 R132H変異、H3F3A K27M変異が代表的である。CRISPR/Cas9システムを用いたこれらの変異遺伝子の個体への導入技術の確立を目指す。いずれも変異部位周囲を標的としたガイドRNAを設計し、それぞれの変異型塩基配列をもつ一本鎖オリゴヌクレオチドとともに導入することで変異型遺伝子導入を行う。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19の蔓延により、海外への人材派遣ができなかった。また、カナダトロントからの研究試料の提供の遅延があった。使用計画は、IDH, H3F3A遺伝子異常はそれぞれIDH1 R132H変異、H3F3A K27M変異が代表的である。CRISPR/Cas9システムを用いたこれらの変異遺伝子の個体への導入技術の確立を目指す。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Ependymoma-like tumor with mesenchymal differentiation harboring C11orf95-NCOA1/2 or -RELA fusion: A hitherto unclassified tumor related to ependymoma2021

    • 著者名/発表者名
      Tomomasa R, Arai Y, Kawabata-Iwakawa R, Fukuoka K, Nakano Y, Hama N, Nakata S, Suzuki N, Ishi Y, Tanaka S, Takahashi JA, Yuba Y, Shiota M, Natsume A, Kurimoto M, Shiba Y, Aoki M, Nabeshima K, Enomoto T, Inoue T, Fujimura J, Kondo A, Yao T, Okura N, Hirose T, Sasaki A, Hirato J, Yokoo H, Nobusawa S.
    • 雑誌名

      Brain Pathol .

      巻: 1 ページ: 1-9

    • DOI

      10.1111/bpa.12943.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Navigated repetitive transcranial magnetic stimulation as preoperative assessment in patients with brain tumors2020

    • 著者名/発表者名
      Motomura K, Takeuchi H, Nojima I, Aoki K, Chalise L, Iijima K, Wakabayashi T, Natsume A.
    • 雑誌名

      Sci Rep .

      巻: 10 ページ: 9044

    • DOI

      10.1038/s41598-020-65944-8.

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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