研究課題/領域番号 |
19KK0228
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
夏目 敦至 名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任教授 (30362255)
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研究分担者 |
大岡 史治 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (10725724)
青木 恒介 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (10759773) [辞退]
平野 雅規 愛知県がんセンター(研究所), 分子腫瘍学分野, 研修生 (40823076) [辞退]
加藤 彰 名古屋大学, 未来社会創造機構, 研究員 (50793056)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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キーワード | 脳腫瘍 / キメラ抗原受容体T細胞 / ポドプラニン |
研究実績の概要 |
悪性脳腫瘍の新たな治療法を開発すべく、ポドプラニン(Podoplanin; PDPN)という分子に注目している。PDPNとは、がん細胞の表面に多く出てくることが多いとされるタンパク質であり、特にがんの悪性化に関係があることがわかっている。PDPNが現れているがん細胞を標的(ターゲット)にし、がん細胞だけを攻撃することができれば、患者の負担が少ない状態で治療をすることが可能になる。 我々の研究グループはPDPNに対するモノクローナル抗体NZ-1を基に、CAR遺伝子を人工合成し(NZ-1-CAR)、T細胞に遺伝子導入した(NZ-1-CAR T細胞。NZ-1-CAR T細胞の細胞傷害性をカルセインアッセイにて、評価したところ、ポドプラニン陽性膠芽腫細胞株であるLN319やU87MGに対して、E/T比に従って、有意に細胞傷害性が認められた。一方、ポドプラニンをノックアウトしたLN319、U87MGでは有意差は認められなかった。NZ-1-CAR T細胞とポドプラニン陽性膠芽腫細胞株であるLN319やU87MGを共培養することにより、モックCAR T細胞に比し、癌細胞がT細胞によって傷害されるときに放出されるサイトカインであるIFNγの産生量が有意に多く、NZ-1-CAR T細胞がポドプラニンを特異的に認識していることが示された。マウスの脳内にポドプラニン陽性膠芽腫細胞株を移植後、CAR T細胞をマウスに全身投与し、非治療群、モックCAR T(対照CAR T)細胞群、NZ-1-CAR T細胞群において、腫瘍サイズと生存期間の評価を行ったところ、NZ-1-CAR T細胞群では腫瘍の増大が抑制され、約60%のマウスで生存期間の延長が認められた)。
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