研究課題/領域番号 |
19KK0231
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山城 隆 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (70294428)
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研究分担者 |
青山 剛三 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (00838542)
黒坂 寛 大阪大学, 大学院歯学研究科, 准教授 (20509369)
村田 有香 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (90755068)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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キーワード | 口蓋裂 / リボソーム / コンドロイチン硫酸 / Chst11 |
研究成果の概要 |
リボソームは生体に広く存在する、その生合成に関わる遺伝子変異は、特定の器官や組織、特に神経堤細胞由来の顎顔面領域に影響を及ぼすことが特徴である。本研究では、その病態発症の分子機構を検討した。口蓋形成で癒合前の口蓋突起は、コンドロイチン硫酸(CS)の硫酸化が亢進していた。CSの硫酸基転移酵素であるChst11の機能不全マウスでは、様々なリボソーム生合成に関わる分子の発現が減弱し、ATPの産生が抑制され、口蓋裂が発症した。この口蓋裂はミトコンドリアの機能を回復すせることで、発症を予防した。これらの所見から、口蓋の形成において、糖鎖修飾による部位特異的なリボソームの生合成の制御機構が明らかになった。
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自由記述の分野 |
歯科矯正学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リボソーム病はリボソームの生合成に関わる遺伝子変異で生じる疾患であり、その病態が神経堤細胞由来の顎顔面領域において症状が現れる点が特徴である。しかし、このような部位特異的な症状の発現がどのような分子・細胞機序で生じるのか不明であった。本研究によって、口蓋突起の形成の際に、コンドロイチン硫酸の硫酸化が部位特異的なリボソームの生合成の亢進に関与していることが示唆され、口蓋形成におけるコンドロイチン硫酸の役割が明らかになった点で学術的な価値は高い。さらに、リボソーム病で見られる口蓋裂の発症に薬理的なミトコンドリアの機能回復が有効であることが示され、臨床的に意義が高い。
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