研究課題/領域番号 |
19KK0235
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
林 邦彦 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (80282408)
|
研究分担者 |
李 廷秀 東京医療保健大学, 医療保健学研究科, 教授 (60292728)
井手野 由季 群馬大学, 数理データ科学教育研究センター, 准教授 (60616324)
長井 万恵 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (90760067)
|
研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2023-03-31
|
キーワード | 女性の健康 / ライフコース・アプローチ / 日本ナースヘルス研究 / 国際クロス・コホート研究 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、世界規模の女性コホート研究コンソーシアム「生殖関連機能事象と慢性疾患イベントに対するライフコース・アプローチの国際共同研究(InterLACE)」に「日本ナースヘルス研究(JNHS)」の長期観察データを追加提供し、新たな世界規模の前向き観察データを日豪共同で作成する。そして、閉経までの心血管疾患、婦人科癌の発症・死亡に関連する生活保健習慣および生殖機能関連のリスク因子について、ライフコース疫学的な解析を行い、3つのグループ(①本邦女性、②欧米豪在住日系女性・アジア系女性、③その他の欧米豪女性)の比較を行う。そのことにより、特に、本邦女性・アジア女性の視点から、更年期症状・心血管疾患・婦人科癌の発症に影響する要因を特定して、人種・遺伝的要因、生活保健習慣等の環境的因子、またそれらの相互作用の大きさを明らかにし、女性の健康に寄与する有益な知見を得ることを目的とする。 令和3年度も、新型コロナウイルス感染症による渡航制限によりJNHS研究者がクイーンズランド大学に出向くことができなかった。そこで、群馬大学内のJNHS研究事務局・データセンターにて、標的とする疾患の詳細調査と、死亡例における人口動態統計に基づく死因調査を実施した。また、登録後14年目~20年目の追跡調査を実施し、JNHSの前向き観察データを新たに収集した。(n=15,019、平均観察期間18.2年) 更に、「尿失禁」のリスク因子について、日豪共同作業(3つのグループの比較を行う)前の日本人女性におけるエビデンスの検討を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和3年度も新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大によりJNHS研究者は一度も渡航できず、また、豪州側研究者はクイーンズランド大学での立ち入り制限措置などのため、計画よりもやや遅れている。 <令和3年度の計画と進捗> ・林邦彦および李廷秀:豪州へ1週間程度渡航し、若手研究者の指導、InterLACEーJNHS Joint Seminarの開催予定であったが、群馬大学内のJNHS研究事務局・データセンターにて、若手研究者の指導を行い、JNHSの前向き観察データを新たに収集した。 ・井手野由季および長井万恵:豪州へ延べ2ヶ月程度渡航し、データ解析および論文化の日豪共同作業、InterLACEーJNHS Joint Seminarでの中間成果発表を行う予定であったが、群馬大学内のJNHS研究事務局・データセンターにて、標的とする疾患の詳細調査と、死亡例における人口動態統計に基づく死因調査を実施した。また、新規統合データの解析に向けて、豪共同作業前の日本人女性におけるエビデンスの検討を行った。
|
今後の研究の推進方策 |
令和4年度は、新型コロナウイルス感染症による渡航制限が解除され、かつ、クイーンズランド大学のキャンパス入構制限解除後に、下記の通りJNHS研究者(日本側研究者)が豪州へ渡航し、クイーンズランド大学内のInterLACEデータセンターにて、日豪共同でデータ解析および論文化作業を行う。 <令和4年度の渡航予定> ・林邦彦および李廷秀:豪州へ1週間程度渡航し、若手研究者の指導、InterLACEーJNHS Joint Seminarの開催)を行う。 ・井手野由季:豪州へ延べ2ヶ月程度渡航し、日豪共同で閉経年齢および骨粗鬆症のデータを解析し、論文を作成する。また、InterLACE-JNHS Joint Seminarで中間発表を行う。 ・長井万恵:豪州へ延べ2ヶ月程度渡航し、日豪共同で尿失禁および片頭痛のデータを解析し、論文を作成する。また、InterLACE-JNHS Joint Seminarで中間発表を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度は、JNHS研究者(林邦彦、李廷秀、井手野由季、長井万恵)が豪州クイーンズランド大学に設置されているInterLACEデータセンターに出向き、豪州側研究者と共同の作業を行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大により、JNHS研究者は一度も豪州へ渡航することができず、また、クイーンズランド大学での立入制限措置などもあったため、InterLACEデータセンターでの日豪共同作業は次年度に延期した。 よって差額分は、新型コロナウイルス感染症による日豪両国における渡航制限解除後に、JNHS研究者が豪州へ渡航するための出張旅費として使用予定である。
|