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2019 年度 実施状況報告書

乳児期のノロウイルス感染症における母乳成分の免疫学的インパクトの解明

研究課題

研究課題/領域番号 19KK0241
研究機関東北大学

研究代表者

斉藤 繭子  東北大学, 医学系研究科, 准教授 (20598031)

研究分担者 野地 智法  東北大学, 農学研究科, 准教授 (10708001)
今村 剛朗  東北大学, 医学系研究科, 助教 (60849412)
研究期間 (年度) 2019-10-07 – 2022-03-31
キーワードノロウイルス / コホート研究 / 母乳
研究実績の概要

本研究は東北大学、ペルー共和国のカエタノ大学ジョンズホプキンス大学との共同研究として、母乳中の抗ノロウイルス抗体、オリゴ糖、細菌叢を解析し、それらと乳児のノロウイルス感染および発症との相関を解析することで、ノロウイルス感染症予防に有用な母乳成分やその免疫機序を解明することを目指している。
2019年度においては、出生コホート研究において収集した母乳の保存検体中の抗ノロウイルスIgA抗体を測定し、出生コホートにおけるノロウイルス関連下痢症との相関関係についての解析を行った。抗原にはノロウイルスの遺伝子グループI(GI)に属する遺伝子型GI.1, GI.9とGIIに属するGII.4の亜型であるSydney2012型とFarmington Gills 2002型、GII.6, GII.17のウイルス様粒子6種を使用した。6か月未満の乳児95名を、ノロウイルス陽性の下痢症に罹患した群、ノロウイルス陽性であったが下痢症を認めなかった群、下痢症を認めたがノロウイルスは陰性だった群に分けた。6種のIgA抗体の陽性率を比較したところ、ノロウイルス陽性の下痢症に罹患した群で陽性率が低い傾向が4種の抗原でみられ、そのうち抗GI.1抗体については統計学的に有意であった。さらにIgA量を抗体価で比較したところ、下痢症に罹患しなかったノロウイルス陽性群で、下痢症に罹患したノロウイルス陽性群よりも3種類のIgA抗体価が有意に高かった。また、異なる遺伝子型・亜型間での抗体価における相関係数を計算したところ、GII.4の亜型間、同じ遺伝子グループ内、遺伝子グループ間の順に相関係数が多かった。
以上の事より、ノロウイルス特異的なIgA抗体は母乳中に高い頻度で存在し、乳児におけるノロウイルス感染時の症状の発現と相関し、遺伝子型・亜型間では交差免疫性が存在している可能性を明らかにすることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルスの流行により、2020年3月からペルーと日本間での移動制限のため、現地での活動ができない状況になっている。また、それぞれの国において外出制限や自粛、新型コロナウイルス感染対策活動のため、研究者自身の活動内容が限定されている。

今後の研究の推進方策

ペルーでの新型コロナウイルスの流行状況を踏まえて、現地の研究者とオンラインでのコミュニケーションを続け研究を推進するとともに、保存検体を国内へ輸入することにより、日本国内で可能な解析を進める。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの流行により、2020年3月からペルーと日本間での移動制限のため、現地での活動ができない状況になっている。また、それぞれの国において外出制限や自粛、新型コロナウイルス感染対策活動のため、研究者自身の活動内容が限定されている。
ペルーから日本への輸出が可能となり次第、保存検体を国内へ輸入することにより、日本国内で可能な解析を進めていく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (2件)

  • [国際共同研究] カエタノ大学(ペルー)

    • 国名
      ペルー
    • 外国機関名
      カエタノ大学
  • [国際共同研究] ジョンズ・ホプキンス大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      ジョンズ・ホプキンス大学

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公開日: 2021-01-27  

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