研究課題/領域番号 |
19KK0241
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
斉藤 繭子 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (20598031)
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研究分担者 |
野地 智法 東北大学, 農学研究科, 教授 (10708001)
今村 剛朗 東北大学, 医学系研究科, 助教 (60849412)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2025-03-31
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キーワード | ノロウイルス / サポウイルス / 易感染性 |
研究実績の概要 |
2023年度はウイルスに結合する糖鎖組織血液型抗原(HBGA)の測定を継続した。HBGAの濃度と乳幼児の下痢症あるいはウイルス関連の下痢症と相関があるかどうかを調べるため、フィリピンで行われた下痢症コホート研究(AMED感染症研究国際展開戦略プログラム)から得られた保存検体を用いてELISA法によるHBGA濃度の測定を進めた。 その結果、分泌型の小児では弱分泌型あるいは非分泌型(低HBGA)群に比べてノロウイルス関連下痢症の頻度が有意に高いことが明らかになった。遺伝子型別の解析においてはノロウイルスGII.4の遺伝子型については単独で、分泌型は弱・非分泌型に比べて分泌型で有意に高い下痢症および感染リスクが示された。分泌型群についてはさらにHBGAの濃度が高い群と低い群に分けた解析を行ったが、ノロウイルス関連下痢症発症および無症候感染の頻度とHBGA濃度の間に明らかな相関は認められなかった。この結果の一部についてはオランダで行われた第8回International Calicivirus Meetingでポスター発表を行った。 さらに、新型コロナウイルスの流行により渡航を中断していたペルーへの渡航を再開し、米国、ペルーの研究協力者を訪問しペルーで行われたコホート研究の解析の進捗状況や追加実験の計画、プロトコルの共有を行った。さらに、研究協力機関と研究協力に関する覚書きの手続きを再開し、年度内に内容について施設間の合意を得るまでに至り2024年4月に締結が可能な状態になった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍で中断した期間の遅延およびの検体搬送に関わる事務手続き等により2023年度内に当初予定していた研究計画の実施ができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
母乳中のHBGA濃度測定、ノロウイルスの遺伝子型解析、ノロウイルス特異的抗体の測定を行い論文執筆と総括を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍での研究計画の遅延が2023年度内に是正されておらず結果の公表までに至らなかった。また、国際交流再開後にペルーの研究協力機関において体制が変わり、新たな検体搬送に関わる事務手続きが必要になったこと等により、2023年度内に当初予定していた研究計画の実施ができず、検体の解析が2023年度内に終了しなかったため。
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