研究課題/領域番号 |
19KK0301
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
森崎 美穂子 帝京大学, 外国語学部, 准教授 (60812708)
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研究期間 (年度) |
2020 – 2023
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キーワード | 農村振興 / 食の文化遺産化 / 地理的表示制度 / 観光振興 / リヨン / テロワール産品 / 景観 / 食文化 |
研究実績の概要 |
本国際共同研究は、現在の資本主義経済が「過去」をどのように高付加価値化し、とりわけ伝統的な食や農村地域をどのように文化遺産化するかについて、テロワール概念を用いて解明することを目的としている。テロワール産品はフランスの食文化のキー概念であり、リヨン第2大学 農村研究学部・学部長C.DELFOSSE教授の研究は、2010年のフランス人の美食術的料理のユネスコ無形文化遺産登録でもその成果が発揮された。本国際共同研究では、この研究チームに参画し、テロワール産品について蓄積されてきた研究、その調査手法について学びつつ日仏比較研究を進めている。 2022年度は、フランスの山岳地帯の、とりわけチーズ等のテロワール産品が、景観と地域のブランド価値を高め、農業および食品経済の確立と観光客を呼び込む地域振興の資源となっている点などを調査した。調査内容等は、学会報告および国際共著本『フランスチーズのテロワール戦略-風土に根づく新たな価値創出』(水曜社)として上梓した。また2023年4月にフランスから共同研究者等(リヨン第二大学C.DELFOSSE教授、クレルモン=フェラン獣医畜産大学P.JEANNEAUX教授、アボンダンス生産者・審査員の山口潮久氏を招聘し、国際シンポジウム、セミナー、またフランスの酪農経営と地域食料システムについての研究会を開催し、研究成果の発表を行った。(2022年度にこの準備等を行った。)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度に追加調査を行えたことで初年度の遅れ(コロナ禍)を取り戻しつつある。2023年3月末に共同研究者等との国際共著本の刊行、また刊行時期(2023年4月)に東京で国際シンポジウム、セミナーを開催した。また日本での調査も行った。このような国内での取り組みによっても、日仏比較研究の意義、共同研究者らとのつながりが深められ、今後の調査、研究のさらなる進展が見込まれる。
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今後の研究の推進方策 |
伝統的な食品と農業(酪農とチーズ)を通じた農村ツーリズム振興について、C.DELFOSS教授との共著論文の執筆を進める。日仏比較論文として国際ジャーナルに投稿する予定である。
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