2023年度は、4月にインドネシアの養殖系のスタートアップ企業JALA社とベトナムで行う介入に関するキックオフミーティングを開催した。現地のエビ養殖農家を招へいし、JALA社代表、ベトナムと日本の研究者、ベトナムのコーディネーターを集めてワークショップを行い、今後のプロジェクト内容を説明し、協力を仰いだ。その後、5月~1月末までアシスタントが対象となる農家を毎週訪問し、水質を計測し、JALA社のアプリに記録して行った。また、研究対象地域を調査員が訪問し、質問票に基づく調査を実施し、ベースラインデータを2月末までに収集した。また、JALA社のアプリに記録された水質のデータも入手した。現在、それらのデータを整理、分析中である。また、8月にJALA社本社があるインドネシアをベトナム、ニュージーランドの共同研究者と共に訪問し、現地のエビ養殖農家を調査訪問し、同社との今後の連携についての詳細な打ち合わせを行った。さらに、1月末に共同研究者が所属するワイカト大学(ニュージーランド)を再度訪問し、研究打ち合わせを行うとともに、学術誌に投稿中の論文の修正対応方針を議論した。7月には、アジア開発銀行、アジア開発銀行研究所、東京大学が共催した国際学術会議で、本研究も含むエビ養殖産業に関する招待講演を行った。 本研究は新型コロナウィルスの世界的な蔓延が始まった2020年度に開始されたこともあり、現地調査や介入の実施のタイミングが遅れ、介入の形も変更せざるを得なかった。そのために、データ分析、論文作成も遅れているが、必要なデータは期間内に収集できたので、今後迅速に分析を進め、成果を国際的な会議や学術誌で発表していく。現在投稿中の論文は、いくつかの国際会議での発表の後、農業経済分野のトップジャーナルの一つである雑誌で査読を経て、修正対応の段階にある。
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