スウェーデンでは1960年代以降の制度改革がジェンダー秩序の劇的変容をもたらしたとみなされ、その要因として女性運動の高い組織率と社会的影響力があったことが指摘されてきた。本研究の基課題「スウェーデン女性運動の比較発達社会史的研究」(2019~2023年度、19K02524)は、スウェーデンの女性運動が強い影響力を持ちえた背景および人々の性別役割意識の変容の進行過程を解明することを目的としているが、本研究では特に19世紀後半における女性たちの家庭外での活動領域と役割意識の変容過程に注目し、手工芸運動にみられた女性活躍の背景要因を比較歴史分析の方法により解明することを試みた。
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