日本の社会的養護は、施設養護中心から里親等の家庭養護中心へと改革の緒に就いた。そこで、日本よりも里親委託率が高く、かつ施設養護も一定の役割を果たしている英国スコットランドにおいて「里親ソーシャルワークの構成要素」を明らかにするための調査研究を行った。里親ソーシャルワーカーや里親へのインタビュー調査の結果から「子どもには家庭が必要」という原理原則を守り実践する中で、自治体を超えた措置変更や頻繁すぎる措置変更が子どもに与える弊害やさまざまな実践上の葛藤があることが明らかになった。研究成果を踏まえ、今後の日本の社会的養護の改革の方向性について今後も検討を続けていきたい。
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