研究課題/領域番号 |
19KK0346
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
伊藤 宙陛 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (60724127)
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研究期間 (年度) |
2020 – 2024
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キーワード | フェムト秒レーザー / 位相制御 / 偏光制御 / 半導体 / スピントロニクス / テラヘルツ波 |
研究実績の概要 |
本研究は基盤研究(C)課題番号18K03487を基課題とし、照射する光の位相と偏光状態を制御することによって固体中の伝導電子の位相とスピン状態を操作する究極的な光-キャリヤー制御を目指す試みである。この目的を設定したうえで、台湾国立成功大学における電子デバイス開発と台湾国立陽明交通大学におけるテラヘルツ波発生機構および山梨大学(代表者が東京農工大学から異動)におけるレーザー波形整形技術開発を相乗効果的に発展させる計画である。令和5年度は研究成果を広く共有するため9月1日(金)~2日(土)、国立陽明交通大学(台湾新竹市)において、山梨大学、東京農工大学、国立陽明交通大学の3大学合同で国際シンポジウム「将来の生体医用・電子工業を切り拓くレーザー制御技術」を開催した。研究代表者が実行委員長を務め、招待講演12件、ショートプレゼン付ポスター講演31件、主催者講演2件が実施され、台湾の研究機関から37名、日本の研究機関から23名、総勢60名が参加した。シンポジウム期間中はレーザー制御を専門とする世界トップクラスの研究者・学生たちが集い、本国際共同研究を進めるうえで画期的なアイデアが数多く提案された。 本課題申請時には令和4年度を最終年度と設定していたが、渡航禁止による開発の遅れや、成果発表の不足から令和5年度に延長申請をし、さらに令和6年度は再延長申請をし開発を進める方針である。 研究代表者は山梨大学工学部の本間聡准教授と研究室の共同運営を実施している。本間聡准教授と研究代表者との共同運営の研究室所属の大学院生、学部学生を研究協力者に追加し本課題の研究開発および成果発表を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題に携わる山梨大学、東京農工大学、国立陽明交通大学の各研究機関でこれまで蓄積された成果を広く共有し一般公開するために、本研究課題の予算を投じ9月1日~2日、国立陽明交通大学(台湾新竹市)において、国際シンポジウム「将来の生体医用・電子工業を切り拓くレーザー制御技術」を本研究代表者が実行委員長となり開催した。招待講演12件、ショートプレゼン付ポスター講演31件、主催者講演2件が実施され、台湾の研究機関から37名、日本の研究機関から23名、総勢60名が参加した。 招待講演:魏浩耕「Few cycle THz dual-pulse generation and manipulation technique with a high degree of freedom」 主催者講演:伊藤宙陛「Pulse shaping for 3-dimentional integration of kinetic energy via light」 ショートプレゼン及びポスター発表:内山雄暉「Improvement of kinetic energy conversion via laser induced bubble by pulse shaping」 ショートプレゼン及びポスター発表:渡邉龍太「Control of lattice vibrations by carrier-envelope phase modulation of terahertz pulses」 シンポジウム期間中はレーザー制御を専門とする世界トップクラスの研究者・学生たちが集い、本国際共同研究による上記の成果も一般公開することができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の最終年度としてテラヘルツパルスのキャリア位相変調機構が間もなく完成される。その研究成果を論文で公開する予定である。また本研究課題で構築された山梨大学、東京農工大学、台湾国立陽明交通大学のレーザー制御を主体とした国際研究ネットワークを今後も維持していくために、本年度も国際シンポジウムや研究室訪問を実施する予定である。 研究代表者は所属機関の変更に伴い、山梨大学工学部の本間聡准教授と研究室の共同運営を実施している。本間聡准教授はホログラフィックをはじめとした光の空間分布制御の専門家であり、研究代表者との議論から光の時空間制御こそ本課題の究極的な到達目標であるとの結論に至った。従って本間聡准教授と研究代表者との共同運営の研究室所属の大学院生、学部学生を研究協力者に追加し本課題の研究開発および成果発表を実施する。
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