半線形放物型・楕円型方程式は,これまでは冪乗非線形項といった理想的状況下において研究されることが多かった.冪乗非線形項はそのシンプルな見た目に反して豊富な数学的現象を提起するため,多くの関心を集めて深く理解されている.一方で,複雑なこの世界を理解するためには理想的状況の解析だけでは不十分であることも事実である.一般の指数増大度を持つ非線形項を扱うことを可能にした本研究は学術的・社会的に意義深いと考えられる.また,対数型特異性に対して体系的な研究手法はこれまでに十分に開発されてこなかった.本研究で提案した劣臨界近似法は,他の対数型特異性を伴う臨界問題にも応用可能であるため高い学術的意義を持つ.
|