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2021 年度 実施状況報告書

時間分解光電子分光法のスリットレス化

研究課題

研究課題/領域番号 19KK0350
研究機関東京大学

研究代表者

石田 行章  東京大学, 物性研究所, リサーチフェロー (30442924)

研究期間 (年度) 2020 – 2022
キーワード時間分解光電子分光 / レーザー高調波 / 第二高調波発生
研究実績の概要

本研究は韓国科学院(IBS)相関電子系センター(CCES)と東京大学物性研究所(ISSP)の共同で進めているプロジェクトであり、レーザーと光電子分析技術を用いた分光手法の開拓と利用研究を推進することが目的である。2020年にソウル大学にISSP-CCES共同ラボが開設された。このラボに恒温のクリーンルームが2021年に導入され、ここにISSPから時間分解光電子分光装置を移設した。2021年度は共同ラボで寒剤の液体ヘリウムを使用するための液化装置が導入され(2021年12月)、低温で測定を行う環境がととのった。また、スリットレス分析器が新たに導入され、この分析器をとりつける対称チャンバーの納入、クライオスタットの納入、そしてスリットレス電子分析器を駆動するための電源部の納入が完了した。これと並行してISSPで開発した2台のフェムト秒域ファイバーレーザー光源を導入し、固体表面の非線形誘電応答をみるための第二高調波顕微鏡の開発と改良およびこれを用いた物性研究を進めた。特にワイル半金属MoTe2の極性転移の際の表層の特異な振る舞いを明らかにした。CCESにあるTHz時間分解測定と時間分解光電子分光法を用いることで、トポロジカル絶縁体の種々の表面状態の連動を高いエネルギー分解能で見ることに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ソウル大に開設されたISSP-CCES共同ラボは、液体ヘリウム等の寒剤を使える環境がととのい、レーザー高調波を用いた物性実験を安定して行えるようになった。コロナ禍により、当初予定していたISSPとCCESの間の人員の直接の交流は制限されるものの、ISSP-CCESの共同オンラインワークショップがとりおこなわれ、共同研究は概ね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

コロナ禍による渡航制限の解除を見込んで、CCESとISSPの人員も含めた交流を進める。またISSP-CCESにおける時間分解光電子分光測定や表面第二高調波発生装置を用いた固体表層の光・電子現象の研究を進める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Effect of the sample work function on alkali metal dosing induced electronic structure change2021

    • 著者名/発表者名
      Saegyeol Jung, Yukiaki Ishida, Minsoo Kim, Masamichi Nakajima, Shigeyuki Ishida, Hiroshi Eisaki, Woojae Choi, Yong Seung Kwon, Jonathan Denlinger, Toshio Otsu, Yohei Kobayashi, Soonsang Huh, Changyoung Kim
    • 雑誌名

      Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena

      巻: 249 ページ: 147045

    • DOI

      10.1016/j.elspec.2021.147045

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2022-12-28  

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