研究課題/領域番号 |
19KK0351
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研究機関 | 国立研究開発法人防災科学技術研究所 |
研究代表者 |
栃本 英伍 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 水・土砂防災研究部門, 特別研究員 (40749917)
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研究期間 (年度) |
2020 – 2022
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キーワード | 温帯低気圧 / 前線 / ジェット気流 / 黒潮 / ガルフストリーム |
研究実績の概要 |
温帯低気圧は、水平スケール3000-5000km程度、時間スケールが数日から1週間程度の総観規模大気擾乱である。温帯低気圧が発達する領域は、北半球では日本海ー太平洋領域と大西洋領域の2つであることがよく知られている。一方、太平洋領域で発生する低気圧と大西洋領域で発達する低気圧の構造や力学の両者の違いは十分に理解されていなかった。本研究は、日本付近の温帯低気圧特有の構造および力学を理解するために、日本海ーオホーツク海や北西太平洋で発達する低気圧と北西大西洋で発達する低気圧の違いを明らかにする研究を行なっている。これまで、これらの海域間で前線構造に違いがあることが明らかとなってきている。日本海ーオホーツク海で発達する低気圧は、それに伴う温暖前線と比較して寒冷前線が発達する傾向が強い。一方、北西太平洋で発達する低気圧および北西大西洋で発達する低気圧は温暖前線、寒冷前線ともに強く発達する傾向がある。また、北西太平洋と北西大西洋で発達する低気圧を比較すると、北西太平洋の低気圧は温暖前線が低気圧中心付近からより南東方向に発達する一方で、北西大西洋で発達する低気圧はより北東方向に発達する傾向がある。また、この違いは黒潮および黒潮続流域とガルフストリームの走向の違いに起因していることが示唆された。また、太平洋で発達する低気圧と大西洋で発達する低気圧のより詳細なメカニズムを明らかにするために、数値シミュレーションの準備を開始すると共に、上層のジェット気流の関係を調べるために、ジェット気流の客観的抽出を試みている。これらの結果は国際学術誌に掲載された。コロナ禍の影響により、ノルウェーのベルゲン大学への長期滞在は実現されなかったため、オンラインベースで共同研究を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍の影響により、ノルウェーのベルゲン大学への長期滞在は実現されなかった。オンラインベースで共同研究を開始しているものの、対面での共同研究、議論が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
ノルウェーのベルゲン大学のThomas Spengler 教授やClemens Spensberger博士のもとに滞在し、共同研究の推進を進めていく。Clemens Spensberger 博士の対流圏上層ジェット気流の抽出アルゴリズムを用いて、上層ジェットの抽出を行う。続いて、上層ジェットと低気圧構造および力学の関係を調べ、大西洋領域と太平洋領域で発達する低気圧間の違いを明らかにする。また、Thomas Spenglerを得ながら、数値シミュレーションを用いた解析を進めていく。
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