研究実績の概要 |
2023年5月に6th International Sclerochronology Conference(6th ISC)を東京大学本郷キャンパスにて主催した.相手国研究者のAmy博士と研究室の学生全員のみならず,Amy博士の知人も複数来日し会議に参加し,対面で議論を深めることができた.日本側研究者白井の研究室に所属する学生や本分野に関連する日本人研究者と対面で交流する機会が得られ,それを機にさらなる国際共同研究が進んでいる.加曽利貝塚や千葉県完新世の地層などにて合同フィールド調査を実施し,人的交流を促進したのに加え,日本の貝塚試料を用いた新たな研究可能性についても議論を行った.Amy博士と6th ISCの特集号をPalaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology誌に企画し,ゲストエティターを担当している.本事業の国際交流により良い研究成果が得られているのみならず,国際共同研究体制が強固なものになっただけでなく,さらに広範囲に拡大させることができた. 昨年度引き続きDonax deltoidesの成長線解析と安定同位体分析を継続して実施した.酸素同位体比の周期的な季節変動と炭素同位体比の加齢に伴う変動が確認できた.酸素同位体比は概ね水温と良い相関を示し,採取時期を特定する指標としての有用性が示された. 2023年度は国際学会の開催や特集号の企画などの理由で相手国を訪問する機会が得られなかったため,研究期間を延期し2024年度に再度相手国を訪問し,研究成果の取りまとめを実施する予定である.
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