3月28日から11月30日までフランスのリール大学に滞在し、ペルー沖の前弧域の音波探査記録の解析及び新型アナログ実験装置を用いた沈み込み帯の再現モデルの構築に関する研究を実施した。実験の結果、(1)通常の付加作用は一定の波長を持つ周期的なプロセスであり、その過程では付加体下のプレート境界における上盤と下盤のカップリングの割合が時空間的に変化すること、(2)付加する堆積物内に含まれる弱層の数が増えても付加周期の波長は保たれるが、付加体内の地質構造や断層ネットワークは複雑になること、(3)弱層に不連続がある場合、付加周期の波長は乱れ,順序外衝上断層の活動が顕著になること、などを明らかにした。
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