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2020 年度 実施状況報告書

ESRによるZnO単結晶の欠陥解析とYAP:Ce/ZnO放射線検出器の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19KK0360
研究機関岩手大学

研究代表者

阿部 貴美  岩手大学, 理工学部, 助教 (20786420)

研究期間 (年度) 2020 – 2022
キーワード電子スピン共鳴 / シンチレーション放射線検出器 / 酸化亜鉛 / 光導電型紫外線センサ
研究実績の概要

本研究では、基課題の目標の一つである「YAP:Ceシンチレーション放射線検出器」の開発をサスカチュワン大学との共同研究により加速し、実用化することを目的としている。この放射線検出器は酸化亜鉛紫外線センサとYAP:Ceシンチレータを組み合わせて作製する。
当初の計画では2020年8月~11月までサスカチュワン大学に滞在し、酸化亜鉛単結晶基板への放射線照射および放射線照射前後の電子スピン共鳴(ESR)を測定・分析する予定であったが、COVID-19の世界的な感染拡大により、渡航は断念した。
そこで今年度は、酸化亜鉛単結晶基板の非極性面(a面、m面)に対する光導電特性の評価とシンチレータであるYAP:Ceターゲットの作製に注力した。酸化亜鉛は極性面(c面)と非極性面(a面、m面)の3つの面を有するが、a面およびm面については供給量が少なく、光導電特性に関する報告はほとんどない。今回、これまでの研究で得られたc面に対する熱処理条件をもとに、a面およびm面に対して紫外線センサとして最適な熱処理条件を検討した。その結果、a面およびm面はc面よりも高温かつ長時間の熱処理施すことで、紫外線センサとしての特性が向上することが明らかとなった。これは極性面と非極性面で表面状態が異なること、極性の有無で不純物の取り込み量が違うことなどが考えられる。表面状態については第一原理計算による解析を行い、不純物の取り込み量についてはESRにより解析を進める。
YAP:CeターゲットによるYAP:Ce層の作製は、YAlO3ターゲットとCeOキューブを用いて行った。最適なCeドープ量と最適な膜厚の検討を行い、紫外線発光量が最も多い条件を明らかにした。また、溶融塩法によりYAP:Ce粉末を合成し、YAP:Ceターゲットの作製も試みた。ターゲットの作製はすでに完了しており、今後これを用いたYAP:Ce層の作製を予定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2020度はCOVID-19の世界的な感染拡大によりサスカチュワン大学への滞在が不可能となり、当初予定していたESRによる分析が全く進まなかった。この状況がどのくらい継続するか不明で見通しが立たないため、研究全体では遅れていると判断した。

今後の研究の推進方策

2021年度はZnO単結晶基板(c面、a面、m面)の紫外線センサの特性改善を行う。特に、電極形状のさらなる微細化を行い、応答特性の改善を図る予定である。また、YAP:Ce層のおおよその成膜条件が明らかになったので、実際に酸化亜鉛紫外線センサに直接堆積して、放射線検出器としての特性を評価する予定である。
サスカチュワン大学への渡航はCOVID-19の状況次第であるが、状況が落ち着き次第、渡航をしたいと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Parylene HTコーティングを施した光導電型ZnO-UVセンサの特性2020

    • 著者名/発表者名
      阿部貴美
    • 学会等名
      2020年度電気関係学会東北支部連合大会

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公開日: 2021-12-27  

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