提案した時間周波数解析法は、建物の固有振動数およびその変動を効率よく抽出できる。この手法は、大スパン片持ち屋根の非線形非定常風応答において、大変形に伴う剛性・振動数の変化を定量的に追跡できる。ダウンバーストの再現シミュレーションでは、計算流体力学を用いて風荷重を算出し、様々なシナリオにおける構造応答を評価することができる。このシミュレーションは、大スパン片持ち屋根の風応答に関する連成解析を通じて、局地的突風による大振幅振動メカニズムを解明し、耐風設計法の確立に貢献する。 本国際共同研究の成果は、地震・強風大国の日本において、大スパン構造の災害に対する強靭性を向上させることに寄与すると考えられる。
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