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2022 年度 実施状況報告書

形質転換効率の品種間差の解消に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19KK0390
研究機関筑波大学

研究代表者

野中 聡子  筑波大学, 生命環境系, 助教 (50580825)

研究期間 (年度) 2020 – 2023
キーワード形質転換効率 / 染色体置換系統
研究実績の概要

2022年2月から2023年1月まで共同研究先のバルセロナ自治州大学・Centre for research in Agricultural Genomicsに滞在し、課題を実施した。
本研究の目的は、形質転換の品種間差に関わる遺伝的要因の探索である。メロンは形質転換効率が低い作物であり、日本で一般的に栽培されているアールス系(変種, varaiety:reticulatus)や、スペインの代表的な品種である'Piel de Sapo' (変種, varaiety:inodrus)では形質転換が難しいことが経験的にわかっていた。一方で、フランスの品種である"Vedrantais"(変種, varaiety:cantaloup)では形質転換が可能であることが共同研究グループの先行研究からわかっていた。本研究では、'Piel de Sapo'へ'Vedramtais'の染色体断片を挿入した染色体置換系統群をもちい、形質転換効率に関連する遺伝的要因の探索を実施する。メロンは12の染色が存在する。R4年度は、各染色体において'Vedrantais'の置換範囲がもっと広い系統をそれぞれ選んで調査した。
最初の6ヶ月間では、メロンの形質転換に用いるベクターの構築、メロンの形質転換法法のプロトコルの整備、形質転換効率の算出方法、ジェノタイピング方法などの技術の習得に取り組んだ。残りの半年で'Vedrantais'での置換範囲が最も大きい染色体置換系統群の14系統について形質転換効率を調査した。
その結果、'Piel de Sapo'バックグラウンドのにも関わらず、8番染色体が'Vedrantais'で置換された系統において形質転換が可能であり、その効率は'Vedrantais'とほぼ同等であることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍の影響を受け、渡航時期が2年ほど遅れた。本研究では共同研究グループの有する実験材料を用いて調査研究することが主なテーマであるので、渡航時期の大幅なずれが研究の遅れに直接結びついた。

今後の研究の推進方策

'Piel de Sapo' の8番染色体が'Vedrantais'で置き換わった系統にて、形質転換が可能になっていた。今年度は、これにつて再現を取る。再現性を得られたのちに、'Vedrantais'の8番染色体が'Piel de Sapo'で置き換わった系統についても形質転換を実施し、形質転換効率を評価する。
8番染色体と形質転換効率の関連性を明らかにしたのち、より詳細な染色体置換系統を用いて、関連する遺伝子の探索に取り組んでいく。
R5年度に'Vedrantais'では培養開始から50日目に形質転換された不定芽が形成されることがわかった。ここまでに不定芽・胚誘導のプロセスが完了すると考えられる。共存培養期間中の植物片およびあ培養開始から10日ごとにサンプリングし、RN-Seqにより遺伝子発現のを調査する。'Vedratis'および'Piel de Sapo'と比較し、T-DNA導入、T-DNAの染色体への統合、不定芽・不定胚の再分化のプロセスに関わる遺伝子群の探索に取り組む

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公開日: 2023-12-25  

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