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2020 年度 実施状況報告書

mitoTALEN法を用いた植物ミトコンドリアゲノム修復と細胞質雄性不稔の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19KK0391
研究機関東京大学

研究代表者

有村 慎一  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (00396938)

研究期間 (年度) 2020 – 2022
キーワード植物ミトコンドリア / ゲノム編集
研究実績の概要

COVID19の影響で、2020年度夏季に予定していたフランスストラスブルグ大学とINRAでの現地滞在は断念した。その代わりに国内で作成した植物ミトコンドリアゲノム改変用TiPlasmidを多数作成し送付し、フランス側で形質転換植物を作成し評価してもらった。その結果、前者機関から非常に良好な効果(ミトコンドリアゲノムの編集とそれによる植物成長への効果)が見られたとの非常に嬉しそうな連絡を受けた。追加的な解析について、zoomなどを用いて議論し、当初予想を超える方向性への共同研究が進展している。同様にINRAとの共同研究についても当初送付したDNAに設計ミスと意図しない突然変異が入っているなどがあり、急遽対応におわれ、再作成と送付を行なった。後者についても、つい最近(修正後のベクターを用いた)導入植物におけるミトコンドリアゲノムの改変と植物表現型の変化が報告され、結果的に順調に推移している。メールとzoomによる議論、並びに互いの組織でのzoomセミナーなども行なっており、当初計画以上に研究交流的にも有効に進んでいる。この間のベクター構築の改良などによる植物ミトコンドリアゲノム改変方法の改良や有効性の検証、核ゲノムや哺乳動物でのミトコンドリアゲノムでの改良との比較などを中心として、その成果は国際誌に複数本掲載することができた。ただし国際共著はまだ執筆掲載できていないが、来年度以降に上記内容が複数の成果として期待できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

相手先機関に滞在して作成解析しようとしていた植物だが、両方の機関先方ともに非常に協力的で、DNAを送付したのちの解析について人員を配置して解析してくれている。これまで日本国内でしか成功例がなかった植物ミトコンドリアゲノムの改変が、それぞれの機関で独立してうまく行ったことから、高い信頼と共同研究の進展を強く依頼希望されるなど、当初予想していたよりも好感触を得ている。コロナ禍における当初心配とは裏腹に、zoomやメールでの連絡で予想以上に研究進展がスムーズに行えている。初年度の成果は既に達成しており、二年目の成功例を先んじて、かつ副次的なプロジェクトに拡大しつつあるため、十分当初計画以上に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

2021年度も両国の状況を見ていると自身の渡航滞在は難しいと思われるため、引き続き分業体制での研究遂行を予定している。両機関とも最初の難関となる核のデータ(植物ミトコンドリアゲノム上の標的遺伝子の破壊株の確立と表現型のラフな解析)が出ているため、これをどのように進展、着地させていくかを引き続き遠隔で議論しながら行なっていくが、残り2年間での論文掲載までは順調につなげることができると考えている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Effects of mitoTALENs-Directed Double-Strand Breaks on Plant Mitochondrial Genomes2021

    • 著者名/発表者名
      Arimura Shin-ichi
    • 雑誌名

      Genes

      巻: 12 ページ: 153~153

    • DOI

      10.3390/genes12020153

    • 査読あり
  • [雑誌論文] FMT, a protein that affects mitochondrial distribution, interacts with translation-related proteins in Arabidopsis thaliana2021

    • 著者名/発表者名
      Ayabe Hiroki、Kawai Narumi、Shibamura Mitsuhiro、Fukao Yoichiro、Fujimoto Masaru、Tsutsumi Nobuhiro、Arimura Shin-ichi
    • 雑誌名

      Plant Cell Reports

      巻: 40 ページ: 327~337

    • DOI

      10.1007/s00299-020-02634-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Targeted gene disruption of ATP synthases 6‐1 and 6‐2 in the mitochondrial genome of Arabidopsis thaliana by mitoTALENs2020

    • 著者名/発表者名
      Arimura Shin‐ichi、Ayabe Hiroki、Sugaya Hajime、Okuno Miki、Tamura Yoshiko、Tsuruta Yu、Watari Yuta、Yanase Shungo、Yamauchi Takaki、Itoh Takehiko、Toyoda Atsushi、Takanashi Hideki、Tsutsumi Nobuhiro
    • 雑誌名

      The Plant Journal

      巻: 104 ページ: 1459~1471

    • DOI

      10.1111/tpj.15041

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Recent advances and perspectives in plant mitochondrial biology for plant breeding2020

    • 著者名/発表者名
      Kubo Tomohiko、Arakawa Takumi、Kitazaki Kazuyoshi、Kazama Tomohiko、Takenaka Mizuki、Sakamoto Wataru、Ishihara Naotada、Nakamura Takahiro、Niikura Satoshi、Arimura Shin-ichi、Handa Hirokazu、Koizuka Nobuya
    • 雑誌名

      Breeding Research

      巻: 22 ページ: 87~94

    • DOI

      10.1270/jsbbr.22.W05

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 植物ミトコンドリアのゲノム編集2021

    • 著者名/発表者名
      有村慎一
    • 学会等名
      植物生理学会
    • 招待講演
  • [学会発表] mitoTALEN法による標的遺伝子破壊から垣間見えた植物ミトコンドリアゲノムの修復尾維持機構と特徴2020

    • 著者名/発表者名
      有村慎一
    • 学会等名
      分子生物学会
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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