本研究ではミトコンドリア機能と抗腫瘍効果を結びつける一つの現象として、フェロトーシスに注目した。 コロンビア大学のCarol Prives教授との共同研究でフェロトーシス関連分子探索のためのnon-targetproteomicsを行った。その結果、フェロトーシス特有のフェリチンやシスチン/グルタミン酸輸送体SLC7A11の発現上昇、β酸化に関わるタンパク群が顕著に変化を認めた。脂質代謝に関連する分子を検索するとRXRAの発現低下やフォスフォリパーゼの活性に関わる分子群の発現変化が認められ、フェロトーシスを制御する脂質関連分子としてPPARとRXRAの相互作用を示唆する重要な知見が得られた。
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