研究課題/領域番号 |
19KK0410
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
井上 泰輝 熊本大学, 病院, 特定研究員 (00806408)
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研究期間 (年度) |
2020 – 2022
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キーワード | 脳アミロイド血管症 / アミロイドβ / アミロイドーシス / 脳出血 / 認知症 |
研究実績の概要 |
申請者は-エノラーゼを脳内へ注入ポンプを用いて持続投与したCAA/ADトランスジェニックマウスの脳血管、脳実質へのAβの沈着が減少すること、さらに認知機能も有意に改善することを示した。さらに、エノラーゼの A β毒性制御機構の解明に向け、α エノラーゼがプロテアーゼ作用を介して、 A βタンパクを切断するとの仮説を立てた。そこで、複数のプロテアーゼ阻害剤を用いて、αエノラーゼによる A β線維形成抑制効果が減弱するか否かを検討した。セリンプロテアーゼ阻害剤として Pefabloc 、アスパラギン酸プロテアーゼ阻害剤として PepstatinA 、システインプロテアーゼ阻害剤として E 64 、金属プロテアーゼとして Phosphoramidon と EDTA を用いた。セリンプロアーゼ阻害剤であるPefabloc SC を用いた検討で、 α エノラーゼの線維形成抑制効果が阻害されること を チオフラビン T 吸光度を用いた解析 により証明した 。チオフラビン T はアミロイドの β シート構造を認識し、それに応じて吸光度が上昇し線維形成を間接的にモニタリングする測定手段である。 α エノラーゼの添加により抑制されていた吸光度の上昇が、Pefabloc の添加により、一転して吸光度が上昇した 。 これは、 α エノラーゼに よる 線維形成 抑制効果 が Pefabl o c の同時添加において 抑制され 、 線維形成に 転じた こと を示すものである。 同様の現象は、透過型電子顕微鏡を用いた形態学的解析においても 確認した 。セリンプロテアーゼ以外の 阻害剤ではこのような 抑制 現象は認めなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果を論文化し、現在査読付きの英文雑誌に投稿を行った。リバイズとなり、追加実験を計画中である。
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今後の研究の推進方策 |
リバイズ中の論文につき、追加実験、追加考察を行う。
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